瓦紀行その壱〜06木の建築塾(第二回)〜
10/20、21と、今年度の木の建築塾の第二回目。
「現場を見よう」という今回の木の建築塾のお題のもと、瓦を巡って様々なしかけをしている「屋根舞台」の活動を見に行こうということで、今回は群馬県に行ってまいりました。
今回の案内人の一人は、「屋根舞台」世話人の小林保さん。
前回の案内人の一人は私なので、「タモツ」続きですね。
小林さんが「タモっちゃん」と呼ばれていると、私まで振り向いてしまいます。
さて私は遅れて到着したので、その小林保さんの家から合流。
その家は瓦屋である小林さんが設計されたようなのですが、瓦屋の域を超えてますね。
それとも、瓦を巡って家づくりの現場を知り尽くしているからなのでしょうか。
中も外も、木と土と光、そして瓦が見事に表現された。とてもよい感性の家です。
大きなうだつのある家。
これが家の中まで差し込まれ、中の空間を分節しています。
朝日に映える「離れ瓦」が美しい。
敷き瓦を裏向きに一面貼り付けた壁。
光の当たり方で様々な表情を見せます。
雪止瓦の型抜きした形を焼き、庭の舗装材として活用。
平に使ったり、横向けに使ったり、縦向きに使ったり。
普通なら使われない形をうまく使う、瓦屋さんならではの発想です。
これはいい!
剥離窯変した尺角の敷き瓦。
この色むらがよいですね。
唯一無二。
同じものなど二つとないのです。
自然界の本来の姿。
それをどうやってうまく使うか、ですね。
今回つくづく、木の建築塾等を通じて、日々自分の仕事に追われるだけではなく、他の方々のよい仕事に直接触れる機会はよいものだな、と感じました。
この家も雑誌等では拝見していましたが、やはり五感で感じる空間と空気は、伝わってくるものが違います。
また、今まで自分の‘引き出し’にはなかったよい空間に触れることで、改めて自分の創作意欲をかきたてられます。
これからも、時間の許す限り、生の空間を体感しに行こう。