2007年5月30日
畳床はオモい
カテゴリー: 家仕事塾
皆さん、
昔ながらに作られた畳を
持ち上げたこと、
ありますか?
思ったよりも、とても重いですよね。
畳は、
軽い軽い藁とイグサを折り重ねて
できているはずなのに。
しかしそのヒミツは、
畳を‘サバいて’みれば、
よく分かります。
先日の荒壁土作りの
ワークショップの際、
たくさんの藁が必要なので、
お古の畳をサバいて、
その藁を混ぜたのですが、
大判、小判がザックザク、
といった感じで、
まあ、次から次へと、
藁が出てくること出てくること。
しかし逆に、
あの2寸ばかりの厚さに、
よくあれだけたくさんの藁を
詰め込む技術があるものだと、
感心してしまいました。
一方で、今作られる畳は、
イグサでできた畳表をはがしてみると、
畳床がボードだったり、
あるいは発泡スチロールみたいのだったり、
工業製品のようになってしまって、
こうした藁でできた畳床は、
とても少なくなってしまいました。
確かにそうした畳は、
軽いし、虫は寄りづらいだろうし、
畳干ししなくてもいいだろうし、
また作るのが簡単だから安いだろうし、
現代の私たちにとって
いいと思われる面も多いのでしょうが、
しかし、
こうしてたくさんの藁と、
職人の技が詰まった畳床が
失われようとしていることは、
私たちとって何か大切なもの―
気持ちよさだったり、
あるいはこうして切り刻んだとしても、
命をつないでいけることだったり、
そうしたものを
投げ捨ててしまっているのではないかと、
畳床をザクザク切りながら、
そういう想いにかられるのでした。