のぐそばんざい!
昨日、最近いただいたご縁で、
オーガニックガーデンフィールドワークに
参加してきました。
この催しは、
農薬に頼らず、
草木も虫も生き生きと生きる
庭づくりをどうすればよいか、
観察を通じて学ぼうというものです。
心地よい家づくりを目ざすのならば、
庭にも心地よさを求めたいですからね、
また家と庭はお互いに
引き立て合う関係にあるので、
庭のことをもっと深く知りたいと思い、
参加しました。
ぶらぶらと歩きながら出会う
草木や虫の説明もさることながら、
彼らに「雑」草も「害」虫もない、
「雑」か「害」かは人間都合であり、
彼らは全て、意味があって
この世に存在しているという視点は、
非常に心打たれました。
彼らの存在は、
土や木からの手紙だということですね。
そして今日、
私にとってこの催しのもう一つの目的は、
糞土師 伊沢 正名さんにお会いすることでした。
伊沢さんは、「くうねるのぐそ」の著者。
私も川の旅でノグソの心地よさを
体感していたのですが、
今日伊沢さんのお話をお聞きして
その行為が実は深ーい意味があると知り、
こちらの話も非常に心打たれました。
今まで「エコ」とか「環境」とか
そういった言葉が繰り広げる世界は、
私たちの身体に取り込むものばかりに
目が向けられていましたが、
私たち生き物は、
入れて出してそれが巡り巡って
この世界が成り立っているわけで、
糞にしろ、ゴミにしろ、
私たちが「出す」ものにも
大きな関心を寄せるべきだと思いました。
今の私たちの世界では、
糞は「廃棄物」でしかありません。
まちには下水道が完備され、
出したものは下水処理場で、
まとめていろいろな方法で
処理されています。
確かにその整備によって
川がきれいになったと思うのですが、
処理の方法が水環境に対して適切かといえば、
それもなかなか疑問のようです。
また下水処理場を建設しようとすると、
必ずといっていいほど、
周辺住民から反対運動が起こります。
気持ちは分からなくないですが、
しかしこのご時世、
周辺住民にとって
不可欠な施設なわけです。
これはゴミ処理場にも
同じことがいえますね。
だからこそ、
私たちの出したものは、
できるだけ自分で解決する、
この発想が
とても大切なように思います。
ただ自分たちで処理しようとするときは、
相応の作法と礼儀が必要。
また土の還元作用にも容量がありますからね。
相応の礼儀と作法が失われたから、
また土の容量を超える人間の数が
住み始めたから、
見苦しい環境汚染が始まったといえます。
一方でざっと簡単な試算によると、
日本の国土面積には、
1億2千万人の糞を受け入れ、
土に還す循環の余裕が
まだあるとのことです。
まちとむらの人口のバランスが悪いので
例えば大都市東京で
一概にそうとはいえないのかもしれませんが、
ただみんなでのぐそしよう!は、
非常に示唆に富む提案だと思います。
また何よりも、
ウンコ話は人をえがおにしますね!
まじめな風貌の伊沢さんが話し始めると、
みんながおかしい雰囲気に
包まれるのが印象的でした。
それにしても、
21世紀に入ってから、
一度も便所で糞をしていないって…、
脱帽です!