2011年6月19日
今の家の軒の出
カテゴリー: 今日のできごと
昨日は電車で外出。
電車に乗っている時、
車窓から家々の様子を
眺めるのが好きなのですが、
今日は今の家が
どれほど軒を出しているのか
というテーマで
車窓の際に立ちました。
と申しますのも、
今日行われた木の建築学校で
講師の後藤先生が、
日本の家は歴史的に、
軒を深く出すことにより、
壁や建具が雨に濡れることを防ぎ、
そのために壁や建具の雨仕舞は、
あまりよくなくても大丈夫だった、
とお話しされていたので、
それでは今の家が
どうなのかということが
気になったのです。
すると
改めて分かったのですが、
軒先もケラバも、
30cm以上出している家は、
ほとんどありませんね。
むしろ軒が深いのは、
マンションのほうです。
もっとも、
バルコニーが濡れないように
するためのものですが。
建物のためになる、
あるいは夏は陽射しを
遮ってくれる庇を
今の家づくりにおいて
敢えて短くする理由を
挙げてみました。
敷地が狭いので、
軒を出すとお隣の土地に
はみ出してしまう
同じく敷地が狭いのと
関連がありますが、
軒を1m以上出すと、
なぜか建ぺい率に算入されるので、
家の延床面積の確保が
不利になってしまう
屋根面積が増えるため、
それに伴ってコストが増える
窓はほとんど
アルミサッシとなり、
また外壁材の
雨仕舞がよくなった
冷房が普及したので、
軒の出はあまり
関係なくなった
現代人が軒の浅い
さっぱりしたデザインを
好むようになった
といったところでしょうか。
現代の様々な事情が
軒の出に象徴されているような
気がします。