太陽の熱を使おう
先日13日に、
今年度の木の建築塾
「在るものを生かす」が
始まりました。
9月度の講師は
工学院大学の後藤治さん。
たくさんの文化財や古民家を
実際に見て触って、
そのうえで醸成された
後藤さんの考えと言葉は、
どれもたいへん興味深いものでした。
その中でも一点
たいへん考えさせられた話は、
今回の塾のテーマと少し離れますが、
アフリカの森林が
危機に追い込まれている理由。
もちろん国内外の建築需要も
あるのでしょうが、
伐採の主な目的は、
現地の人たちが使う燃料調達。
暖を採るため、
煮炊きをするため、ですね。
私は何となく罪悪感を感じながら
これまで化石燃料を使ってきておりましたが、
たくさんの人口を抱える
現代の地球上で暮らすうえで、
もしかしたら
未来への過渡期の「代用品」として
必要なことだったのかもしれません。
一方で私たちの国では、
バイオマス資源が使われずに眠っています。
それはそれで
たいへんもったいないことで、
薪ストーブやペレットストーブなど、
バイオマス資源の活用を促す装置を
積極的に提案し続けていますが、
同時に需要と供給のバランスを
意識する必要性を強く感じました。
そしてもう一つは、
太陽熱の有効利用を
さらに考えていきたいと思いました。
その視点で、
今日開業した「食堂ぺいす」の玄関土間を
一度ぜひご覧になってみてください。
この土間は、
昔ながらの達磨窯を使い、
薪で焼いた敷瓦で
仕上げられているのですが、
その下には
床暖房用のお湯の管が
埋められています。
そのお湯を作る熱源は、太陽熱。
太陽の熱を土(瓦)に蓄え、
そこから発する輻射熱で
暖を取ろうというもくろみです。
例えばそのような仕組みで、
太陽熱利用を提案していこうと思います。
まだまだ暑い時期なので、
その恩恵に預かることができるのは
あと数ヵ月後ですが、
後藤さんのお話をお聞きして、
一刻も早く試運転したくなりました(笑)。