木の建築塾報告〜紙の話〜
今日は、経師屋の岩崎さんの話。
木の建築塾はスタッフとしてお手伝いさせてもらっているが、今回は私が担当。
これまで岩崎さんとは面識がなかったが、これを機会に何回か木場にある岩崎さんの作業場を訪れ、経師屋の世界を垣間見て、今日お話いただくことを楽しみにしていた。
というのも、経師屋には、紙、糊、貼壁、表具、掛軸、屏風…、と多岐にわたる世界が広がっているからだ。
紙一つとっても、実に深く広い世界である。
事前の打合せで、岩崎さんが「2時間で足りるかなあ」というようなことを言っていたが、実際本当に足りなかった。
話し方は職人らしいポツリポツリとしたしゃべり方だけど、次から次に話題が湧き出てきて、次に何が出てくるんだろう、と興味を引き続ける。2時間が本当にあっと言う間であった。
伝統構法に取り組んでいるとはいえ、実は経師屋とはあまり接点がなかったこともあり、とても勉強になった。
紙にまつわる岩崎語録を幾つか。
・紙は古い方がいい。
・今の紙は苛性ソーダで漂白しているので、悪い材料でもごまかすことができる。
・紙には、裏表だけではなく、縦横がある。
・いい和紙の音は、パリパリという音。
・サンプルに載っているものをそのまま使うな。自分で世界を作ってほしい。
(ちなみに写真に写っているのは、ある施主が自分で紙に柿渋で模様をつけた独自のもの)
・「冷やかし」という言葉は、吉原と紙作りから由来している?