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2017年9月8日

旅情を催す

今年度第4回目の木の建築塾は、
泉幸甫さんが講師でした。

お題は、
「工業化と手作りの狭間で」。

手作りはいい。

時間と手をかけて
丹念に作ったものは、

写真で見ても
そうつぶやいてしまうのですが、

資本主義経済が確立し、
存分に時間(=おカネ)をかけるわけにも
いかなくなったこの現代は
「手」を離れて工業化が進み、

設計とはカタログの中から
工業製品を選ぶこと、
といっても時代になりました。

職人が設計者を揶揄する言葉として
「カタログ屋」と呼ぶという話も
聞いたことがあります。

工業製品は
決して美しくないわけでは
ないと思うのですが、

手作りのものが放つ
本能に響くような美しさには
とうていかないません。

そんな中で美しさを表現したい
私たちのような者たちにとって
どのような態度で臨むべきか、

その答えのいくつかを
泉さんは示されていました。

とくに私が刺激を受けたのは、
素材に対する情熱と行動力です。

素材を取り扱う手段が
「手」から「電気仕掛け」に変わろうと、

料理でも
おいしい料理を作るためには
素材のよさが大事なように、

建築でも素材の吟味が
大事なことになってきます。

泉さんは建築に使う
素材と出会うために
あるいは素材の源流を探るために
好奇心旺盛に世界中を旅し、
見聞を広げられていて、

そういえば最近
自分は目の前のことを
楽しむばかりで、

旅してないなあ、

旅したいなあ、という
思いを募らせたのでした。

やはり別の世界に触れることは
刺激になります。

その意味で「木の建築塾」は、
本当に自分の糧になることを
改めて感じました。

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2017年9月4日

さいかい

北杜市武川の
古民家改修の仕事が
再開しました。

当初よりここは、
「’ザグラダファミリア’でいきましょう」
という話をしておりまして(笑)、

まさにそうなってますが、
しかし第2期工事で
しっかりと住めるように
なる予定です。

ここへ来ると、
甲斐駒ケ岳や八ヶ岳の景色、

また少し時間あるときは
温泉も楽しめるので、

再びここへ通う日々が
楽しみです。

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2017年9月2日

17.9月の「結」のご案内

カテゴリー: 告知・連絡

気がつけば9月。

今年の夏は
なんだか夏らしくないといいますか、
雨で涼しい日が続いていたのと、
海も川も行かずじまいでしたので、

もう夏が終わってしまったのか、
という感じです。

皆さまの夏はいかがだったでしょうか。

私は、夏休み返上の
竹小舞三昧(笑)で、

たくさんのステキな出会いと
再会の機会をいただきました。

引き続き9月も、
現代版「結」の機会が
多々ありますので、

ぜひ皆さま、
ものづくりの現場で
お会いしましょう!

・・・・・・・・・・

9月6日(水)竹小舞(鎌倉市扇ガ谷)
9月12日(火)竹小舞(藤沢市辻堂)
9月13日(水)竹割(静岡県伊豆の国市)
9月16日(土)竹伐り(小田原市沼代)
9月18日(月・祝)竹小舞(葉山町一色)
9月30日(土)竹小舞(葉山町一色)
※追加日程あると思います。

【時間】9時~18時(ご都合のよい時間だけでもOKです。)
【場所】お申込みいただいた方に別途ご案内いたします。
【人数】15人程度まで
【その他】
・昼食、おやつ等ご用意いたします。
・交通費を支給させていただきます。(一律1,000円とさせていただきます。)
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
・現場の進捗等の事情で作業日程が変更になる場合があります。予めご了承ください。
・雨天中止にする場合があります。その場合は当日7時までに連絡申し上げます。

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2017年7月31日

真夏の竹小舞かき隊のご案内

カテゴリー: イベント 告知・連絡

昨日はカジュアートスペースにて
鎌倉エネルギーカフェを行いました。

真夏でも、
緑あふれたお庭に囲まれた古民家にいると
暑さが気になりませんでした。

さて今回は、
土用明けを皮切りに
以下の日程で怒涛のように(笑)行われる
竹小舞かき隊のご案内です。

きらくなたてものやでは、
ことあるごとに結のしくみで
自主施工をすすめていますが、

竹小舞は「結」の力を
いちばん感じられる作業だと思います。

無心で動かした手仕事の集積が
美しい結果を得られるということ、

また途方に暮れるほど膨大な作業も
共同で行うと楽しく感じることを

ぜひ肌で感じに
いらしてください。

なおご参加いただける方は、
道具等の準備のため、
参加可能な日程を人数を添えて、
私宛にご連絡いただきますよう
よろしくお願いいたします。
tamotsu.hidaka@kirakunat.com

■真夏の竹小舞かき隊

【日程】
08月08日:藤沢市辻堂
08月12日:藤沢市辻堂
08月16日(水):狭山市
08月17日(木):狭山市
08月18日(金):狭山市
08月19日(土):藤沢市辻堂
08月20日(日):狭山市
08月21日(月):鎌倉市扇ガ谷
08月23日(水):鎌倉市扇ガ谷
08月25日(金):鎌倉市扇ガ谷
08月27日(日):藤沢市辻堂
08月29日(火):鎌倉市扇ガ谷
08月31日(木):鎌倉市扇ガ谷
09月02日(土):鎌倉市扇ガ谷

【時間】9時~18時(ご都合のよい時間だけでもOKです。)
【場所】お申込みいただいた方に別途ご案内いたします。
【人数】15人程度まで
【その他】
・昼食、おやつ等ご用意いたします。
・交通費を支給させていただきます。(一律1,000円とさせていただきます。)
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
・現場の進捗等の事情で作業日程が変更になる場合があります。予めご了承ください。
・雨天中止にする場合があります。その場合は当日7時までに連絡申し上げます。
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2017年7月30日

巡り巡って手は〇〇を産む

今年度の第三回鎌倉エネルギーカフェ、

風が吹けば桶屋が儲かるの理
〜その一手間がエネルギー効率をかえる〜

を開催しました。

お話しいただいたのは、
会場のカジュアートスペースの主でもある
染織家のたなか牧子さん。

普段から「手」でものを産み出すことを生業とし、
その流れで暮らしも手で作り出している
牧子さんのお話を要約すると、

手で作るということは
一間遠回りに見えるかもしれないけれど、
巡り巡ってその一手間が
思わぬ効果をもたらすことがある、

私は生まれつき不器用だから、
という理由で手仕事を避けることはない
なぜなら生まれつき器用な人もいない
その人なりに「鍛える」機会が必要、

手仕事で目の前のモノに命が宿る、

手仕事で命が転生流転する、

といったところでしょうか。

そのような話を
実際にご自身で作ったものを紹介しながら
テンポとキレよくお話しいただきました。

私も手でモノを作り出す端くれですが、
手をかければかけるほど、

その過程を通じて
モノに対して並々ならぬ愛が生まれ
育っていくことを肌で感じています。

確かにそんな作業でも
機械が代行してくれる今、
一見非効率に思う過程かもしれませんが、

代えがたいたくさんの何かが
得られるような気がしています。

また牧子さんの話で印象的だったことの一つは、
手で作ればそれでいいというわけではなく、
「やっぱりかっこよくなきゃあ」と
つぶやいていたことです。

デザインで共感を得るということは
産み出したものが
長く使ってもらえるようにするためには
とても大切なことだと共感するとともに、

牧子さんの制作活動に対する
妥協のない姿勢の一端を
見たような気がしました。

お話のあとは、
恒例のカフェタイム。

参加者それぞれの個性が発揮された
持ち寄りおやつで
みなさんと楽しく
交流することができました。

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真夏の庭を背に
お話しする牧子さん。

暑い暑い日でしたが、
古民家と緑はその暑さを
和らげてくれます。

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牧子さんの手で
転生することができた布たち。

デザインも
手に取りたくなるほどすてきでした。

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庭のシュロと梅の枝で
牧子さんが自作した箒。

掃除が楽しくなりそうです。

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以前贈り物に添えられた
葛の蔓の籠。

この贈り物の背景に
無言の溢れる「言葉」を感じます。

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近年なかなか活用されず、
資源に溢れている竹を
先日竹炭にしてみたそうです。

私も竹は、
地域の隠れた「宝」だと
思っています。

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ずらりと並べられた
自慢のおやつ。

近所で買ってきた
あるいは手作りのお菓子、
精進から揚げ…、

どれも愛に溢れていました。

2017年6月20日

「梅雨の始まりのカキシブ隊」のご案内

カテゴリー: イベント 告知・連絡

今日はまさに初夏という陽気でしたが、
明日からはまさに梅雨というお天気の模様。

梅雨とはよく言ったもので、
現在私の家には梅の実がゴロゴロ、

梅雨の湿気もあいまって、
官能的な香りが
家中漂っています。

さて今回は、
今週2回行うカキシブ隊のご案内です。

柿渋塗りは、
木材を色付け、
機能を増すために塗るのですが、

それとともに、
ご縁のある方々と
木材に愛情を注ぐ儀式でもあります。

たくさんの方に愛を注いでいただけると、
木も家も喜びますので、

皆さまぜひ
ご検討のほどよろしくお願いいたします。

なおご参加いただける方は、
道具等の用意のため、
事前に私宛にご連絡をお願いいたします。
tamotsu.hidaka@kirakunat.com

■梅雨の始まりのカキシブ隊
①平成29年6月21日(水)開催(急なご案内で申し訳ありません。)
時間:9:00〜日没まで
場所:吉岡木材(厚木市飯山278)

②平成29年6月24日(土) 9:00〜日没まで
時間:9:00〜日没まで
場所:静岡県伊豆の国市奈古谷

【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
(カキシブ隊では、衣服等に付着すると、二度と落ちません。)
・雨天中止の場合、当日7時までに作業実施を決定のうえ連絡申し上げます。
・ご都合のよい時間だけでもOKです。
・交通手段、詳細の場所等の事務連絡は、改めて個別にさせていただきます。
・昼食は用意、またはごちそうします。
・交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

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2017年6月16日

土を旅する若き体現者

カテゴリー: イベント

今年度の二回目の木の建築塾は、
左官職人の都倉達弥さんをお招きして
お話をいただきました。

都倉さんは今年で三十歳、

三十歳とは思えないほど、
たくさんの経験と知識をお持ちで、

それらを基に、
若者ならではの感性を取り入れて
実に深く、豊かな表現を
繰り広げておられました。

元々職人の子として育った背景に加え、

世界を旅して、
様々な技術や表現、
また様々な人たちと出会って、
そこへ行き着いたのだと思います。

今年の木の建築塾のテーマは。
「土を旅する」ですが、

まさにそれを
体現しておられる方で、

やはり旅をするということは、
人生に深みをもたらしてくれるのだなと
改めて感じました。

とくに都倉さんが深いな、
と思った言葉は二つ、

一つ目は、
表現したいのは、「あ、すごい」ではなく、
なんかいい、なんか知らないけどずっとそこにいたい
と思う場を作ること。

二つ目は、
壁のよさは、左官だけではなく、
照明など他の分野も含めた
空気感だと思う、ということ。

若さに任せて独りよがりな表現に走ることなく、
チームで全体を作ろうとする姿勢をうかがうことができ、

その姿勢に
職人の遺伝子とともに、
旅で得た人勢の深みを
感じることができました。

そして後半の時間は、
土の磨きのワークショップ。

約4寸四方に
色粉を混ぜた土で

参加者全員が
色土を鏝で塗り、
布で磨いて、

光る土の表現を
試みました。

やはり土と戯れる作業は、
無心になりますね。

私も作業を始めてからというもの
時間が経つのを忘れ、
思いのままに手を動かしました。

ものづくりは楽しい、

そしてその楽しさは
万国共通、

だとすれば
世界と楽しくつながることができる、

とくに土は、
世界共通の素材、

今の世界は
不穏な状況ですが、

土を介して
平和な世界を作ることが
できるのではないだろうかと

そこまで妄想の広がる
東京の夜でした。

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2017年6月9日

「風が吹けば桶屋が儲かるの理 〜その一手間がエネルギー効率をかえる〜」のご案内

関東地方も
いよいよ梅雨入りしたようです。

しかし天気予報を見ると、
昨日は雨が降ったものの、

しばらく雨マークがなくて
初夏の心地よい日和が続く模様、

うれしい反面、
やや拍子抜けしております。

なんだか最近、
梅雨よりも九月のほうが
雨の日が多いと感じます。

さて今回のご案内は、
今年度3回目の鎌倉エネルギーカフェです。

今回お話しいただくのは、
会場の主でもあるたなか牧子さん、
昨年に引き続いてのご登場です。

昨年は
段取りを整え、一手間加えることで
暮らしを効率化することができ、
それが結果的に省エネにつながる、
という内容を
実例を交えてお話しいただいたのですが、

さすがかつて
日々教壇に立っていた牧子さん、

お話が切れ味鋭くテンポよく、
しかも内容がとても分かりやすく、

参加者の皆さんから
たいへんご好評をいただきました。

そこで今年度も少し視点を変えて、
牧子さんにお話をいただくことになった次第です。

今回も楽しく、ためになること間違いなし!
ぜひご検討のほど、よろしくお願いいたします。

■2017-18 第3回鎌倉エネルギーカフェ
風が吹けば桶屋が儲かるの理 〜その一手間がエネルギー効率をかえる〜
日時:17.07.09(日) 15-18時
会場:カジュアートスペース(鎌倉市二階堂57-1)
講師:たなか 牧子(染織家)
会費:1,000円
定員:20名
持物:筆記用具、持ち寄りおやつ(可能な範囲でOKです。)
お申し込み
tamotsu.hidaka@kirakunat.com
080-5467-8701(日高)

・・・・・・・・・・

今後の鎌倉エネルギーカフェの予定
17.08.11(金・祝) ソーラークッキング
17.10.09(月・祝) クリまつり!
17.11.23(木・祝) ロケットストーブ
18.01.21(日) でんきないとかふぇ
18.02.12(月・祝) 住まいと暮らしとエネルギー

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2017年6月8日

文化の種蒔き十周目

地元の中学校で
「ふれあい体験活動」という
学習プログラムの一環で
特別体験授業を行いました。

今年で何回目かな、と数えたら、
ちょうどキリよく10回目でした。

気候風土に根づく建築のこと、
建築、ものづくりのの楽しさを
子どもたちに伝えたいと思い、
当時の校長先生に掛け合ったところ、

まさか既に中学校で
こんなすばらしいプログラムが
あるとは知らず、

その存在のおかげで
トントン拍子に想いが実現したとき
夢のようでした。

またこの取り組みがきっかけで
様々な地域活動にどっぷりと(笑)
深く関わることになるのですが、

それらの活動を通じて
地域の中でいただいたご縁は
私のタカラモノの一つです。

さて、今回は11名の子どもたちが
参加してくれたのですが、

当時の夢のような気持ちは、
十年経っても
子どもたちを前にすれば
変わりません。

しかもこのプログラムは、
生徒は十数講座あるから
一つだけ選ぶことができるのですが、

今回はとくに
授業を受けてくれた生徒の中に
なんと過去に建てた家の
建主さんの子どもが二人いて、

十年目という年月を感じました。

しかもこうして中学生に成長して
この講座を選んでくれるなんて
とてもうれしかったです。

その他にも
ノコギリやインパクトを手にして
「やべー楽しい」を連発している子がいて、

「種蒔き」により
この先芽を出すのではないかという
手ごたえを感じたりもしました。

この先何周でも
バテずにずっと続けていきたい
取り組みの一つです。

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2017年6月4日

エネルギーからミソへ

今年度二回目の鎌倉エネルギーカフェ、
「エネルギーがつなぐ市民と行政の輪inカジュアートスペース」
を開催しました。

昨年度同様、
澁谷毅さんをお招きしてのお話し会、

しかし澁谷さんは、
エネルギー施策担当部署から
別の課に異動となってしまったのですが、

元担当という立場で
快く引き受けてくださりました。

気さくで融通が利く、
これだけで行政に対して
好印象です。

一方、実は今回
私の告知が遅かったこともあり、
参加者がとても少なく、

せっかく来てくださる澁谷さんには
申し訳ないことをしたのですが、

少なかったぶん、
お話の途中でも質問や意見が飛び、

エネルギーだけではなく
まちづくりやゴミ処理の話題など
たくさんのお話ができて
内容がより深いものになったと思います。

こうした話題は
たまに知り合い同士の
お茶や酒の場で出ることも
あると思うのですが、

その場に一人
行政の方がいるというのがミソで、

やっぱり行政の方は法規に詳しく、
またものごとを複眼的に見ることができるので、

ふとしたアイディアを実現しようとした時に
本当に頼りになるなあと思いました。

行政は行政で、
私たちからこうした気さくな交流の中で出てくる
時に突飛もない「ふとしたアイディア」が
ヒントになったりすることも
あるのではないかと思っています。

ところで「ふとしたアイディア」と言えば、
今回最後に「これやろう」と盛り上がったのは、

エネルギーの話からなぜか
「鎌倉味噌」を作ろう、という話。

鎌倉の空き家や遊んでいる土地に
大豆を撒き、

塩は
目の前の海から汲んできて作り、

みんなでロケットストーブを作り、
それと薪で大豆を煮て、
みんなでコネコネ、

その後は鎌倉のそこらじゅうにある
「やぐら」で保管し熟成、

あー、やりたくなってきた!

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いつものように
カフェも楽しみました。

さあ次回は7月9日。

前回も大好評だった
たなか牧子さんのお話です。