階段造作中
海老名た邸にて。
大工工事の
佳境の一つともいえる階段工事が
進行中です。
最近採用することの多い、
180度を五段割した割付の廻り階段を
宙吊りのように取り付け、
その後直線となる
二ヵ所の階段を
仕上げていきます。
今は宙吊りになっている
廻り階段だけが取り付いているので、
不思議な光景となっています。
海老名た邸の竹小舞完了。
建主さんの自主施工による
竹小舞施工が続いていますが、
この家は左官屋さん作です。
この状態で美しいので、
やはり建主さんと
どこかを下地窓(竹小舞を見せる壁)にしたい
という話になりました。
本日海老名た邸の建前。
職人仲間十数人が集まり、
手興しで材木を組み上げ、
極めて順調に作業が進んで
午後いちばんで棟木が上がりました。
しかしながら。
恒例の、
建主さんが叩いて棟木を納め、
記念写真を撮り、
引き続き
垂木を入れようとした時、
小屋束の長さが
違うことが発覚し、
そこで作業は止まりました。
よく建前の日の前夜は、
棟梁は間違いがないかどうか気になって、
夜眠れぬ、という話はよく聞きますが、
それが現実のものと
なってしまいました。
どんなベテランでも、
失敗をしない人はいません。
確かに失敗しないに
越したことはありませんが、
しかしそれをとがめても、
どうなるというわけでは
ありません。
失敗の悔しさは、
本人が痛いほど
分かっているはず。
だとすれば、
補い合い、助け合うのが
仲間です。
むしろ仲間が失敗した時こそ
私たちの力が問われます。
私は子どもたちに
ラグビーを教えていますが、
同じことがいえます。
失敗やできないことに対して
怒らない。
恐怖よりも
楽しいという思いの中で、
ものごとを吸収してほしい。
怒るとすれば、
失敗を恐れる姿勢、
失敗を言い逃れする姿勢、
仲間を大事にしない姿勢、
そして取り組みに対する
いい加減な姿勢。
初めて墨を付けた
今回の棟梁は、
私たちから見れば
すぐに取り返せる
失敗にもかかわらず、
失敗に対して言い訳せず、
真摯に向き合う姿勢を
痛いほど感じました。
大丈夫、
その姿勢があるかぎり、
みんなで補い合い、助け合って、
きらくなたてものやは
家を作り続けていきます。
そして今日のことのように
私たちは死ぬまで勉強、
そんな中でご縁をいただく
建主さんたちに
本当に感謝、です。