春寒の空の下で妄想
約7年前に建てた
稲村ガ崎のか邸にて。
点検と補修のため、
屋根のてっぺんに昇って
屋根を見下ろしたのですが、
群馬藤岡の五十嵐さんが
達磨窯で焼いた瓦の群れは
一枚一枚顔が違うからこそ、
そして年を重ねて
少しずつ少しずつ
顔を変えていくからこそ、
心をとらえるのだな、
と思いました。
五十嵐さんの焼いた瓦は
生きているのです。
この瓦を載せた家が
連なったまちなみを
作ってみたら、
どんなに美しいだろうと
春寒の空の下、
しばらく妄想しました。