空と緑と椹の板
鎌倉た邸にて。
2階の畳の間に座り、
東側を望むと
大きな硝子戸越しに
見えてくる
空と緑の景色が
とても好きです。
少し小高い丘の上に
この家は建っているのですが、
床に座り、
少し上向き加減の視界から、
バルコニーの横格子と
腰から下の摺り硝子が
下界の景色を消去し、
白く透明感のある
椹の床板の向こうに、
空と緑だけを
映し出してくれます。
鎌倉た邸にて。
部屋に入ると、
木組みの間に嵌った
窓の連なりが
正面に目に入り、
木組みごとに
分割された光が
部屋の中へと
招いてくれます。
鎌倉た邸にて。
1.5尺間隔に並ぶ柱の間には、
縦長の開き窓が納まり、
小屋組み部分には、
木組みの間に
横長の開き窓と、
三角の嵌め殺し窓が納まり、
この構造かつ意匠のデザインが、
寝室の空間の表情、
および北側外観の表情を
形作っております。
鎌倉た邸にて。
門扉を入り、
玄関まで至る通路は、
右手にスギの列柱、
頭上にはヒマラヤスギの梁が
3尺+1.5尺のリズムで
並んでいます。
湿度の高い日には、
ヒマラヤスギの香りが
仄かに漂ってくる、
香りで迎える
玄関となります。
建物北側の道路は、
銭洗弁財天に抜ける道で、
日中観光客で賑わいます。
その道に向かって、
縦長の開戸が並ぶ
建物妻面がせり出し、
その下には、
敷地なりに
斜めに横格子が突き出た
ウッドデッキが印象的な
外観となっています。