家も喜んでる
所用で久しぶりに熊谷た邸を訪れました。
まずは家の中に入って、冷たい風が吹きつける日でしたが、内外真壁、外皮は厚い土壁一枚のみの家なのに、あたたかいことに驚きました。土間の敷瓦の蓄熱が効いてるのかな。そして、大事に丁寧に暮らしていて、とてもステキに経年変化していて訪れた私たちだけではなく、この家もとても喜んでいました。
今日の最後、ちょっとうるっとしてしまうほどとても感動的な場面があったので、いつか紹介できるのではないかと期待してます。
畑拓さんに作っていただいた
熊谷た邸のフォトブックが
届きました。
フォトブックでは、
いつも建主さんのあとがきに
言葉では言い表せないほどの
感動をいただいております。
今回も
例外ではありません。
とくに、
「きらくな建主さん」たちへの言葉は、
きらくなたてものやにとって
タカラモノの言葉となりました。
フォトブックは
建主さん、施工者、私と
世界で3冊しかないため(笑)、
この文章が
日の目を見ることがありませんので、
建主さんに公にしていいか
お聞きしたところ、
お名前も含めて
ぜんぜんオッケー、
といっていただいたので、
お言葉に甘えて
紹介させていただきます。
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大人になったらマンションに住みたい!
と、子供のころはそう思っていた。
その当初はマンションと言ったら「ライオンズマンション」
人はないものねだりが原則。
私の生まれ育った家は木造平屋のぼっとん便所、シャワー無し、時々ゴキちゃんと
SAY HELLO…
時は流れて私にも家を建てるチャンスが来た!
家内が見ていた雑誌の中に「いけてる家」発見!
キーワードは「き・ら・く」と「岡部」
思い立ったが吉日で早速電話&行動で岡部材木店にGO!
そこには材木が山と置かれており、非現実的な空間。
「きもちい」と思った。
その後、日高さんと出会い「きらくな変わり者」と思った。
打合せに一年かけ、その間色々な家庭を訪問させて頂き生の生活風景を見させてもらった。
どうやらこの感じの家に住む人は同じ匂いがする。
なんかきらくだ。
金が無くてもなんとかなるさって言いそう。
素敵!って照れずに言いそう。
自分に自信がありそう。
とにかく明るく楽しそうだった。
上棟式にうえにのぼってトンカンしたのは気持ちよかったな…
自分イケテルとさえ思った。
日高さんが、土壁の材料は足でこねるって言ったときは、まじか!って思った。
竹こまいの作業はボランティアの方々には、ほんと感謝、感謝で。
土壁が発酵してきて猛烈なにおいがして心配したな-
こんなクセー家住めねー。
この家を通じて色々な方と話ができ、酒を交わしたことが、俺にとって一番の収穫であり、
その全てが家づくりだったような気がする。
マンションではなく
木造、平屋、壁はあらかべ、水洗便所にシャワー付
超気に入ってます!
みんなありがとう!
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熊谷た邸、
畑拓さんによる写真、その11。
季節や時間帯によって
‘着せ替え’できる、
居間南側二間の開口部。
左は、全ての建具を開放した様子、
中は、格子網戸(きらくな網戸)を
閉めた様子、
右は、引込障子を
閉めた様子。
これらにより、
風、光、熱、視線を
調整します。
熊谷た邸、
カメラマン畑拓さんによる写真、その7。
敷瓦とクリ板の居間。
東側は、
横長に開放的な窓、
南側は、
部屋を紙で
柔らかく包む障子と、
夜間通風可能な
格子網戸を備えた
二軒開口の掃き出し窓。
実は今日、
ここで建主さんと
お会いしていたのですが、
この夏あの熊谷で
エアコンを使った回数は、
2、3回だけだったとのこと。
この家は、
基本的に内外真壁ですが、
よく通る風と
土に包まれている
おかげだと思います。
現在改正省エネ法の関係で
岐路に立たされている
木と土の家の温熱環境を考えるうえで
たいへんありがたいお言葉でした。