昇る間
町田か邸にて。
1階の壁のほとんどは、
土塗り仕上げなのですが、
階段から上は、
荒壁土塗りのまま。
昇りきったところにある
荒壁土の壁が
窓からの光を受けて、
上へ上へといざないます。
また手摺受金物は、
いつもの鉄錆色のもの。
町田か邸にて。
玄関土間を入ると、
目に飛び込んでくるのは、
右手のカヤの木。
その奥には、
クリの厨房が
鎮座しています。
ほうぼうから入る
光とあいまって、
これらが明るくあたたかく、
和やかな雰囲気を醸し出していて、
建主さんご家族を
象徴しているような気がしています。
町田か邸にて。
完成した様子の報告を再開。
さて、
この家の南東の角の床は、
藤岡の五十嵐さんが
達磨窯で焼いた、
いぶし銀の敷瓦を貼っています。
将来この部分に
薪ストーブが鎮座する
ということもありますが、
角に開いた
掃き出し窓から
太陽の恵みを取り入れ、
それを敷瓦が蓄熱して、
温もりを家の中に
呼び込むことを
もくろんでいます。
一方で夏場は、
バルコニーと格子網戸で
日射遮蔽。
「省エネ」の施策のもと、
なぜか危機的状況にある
伝統工法ですが、
こうして、
単なるデザインではなく、
循環可能な素材を使い、
自然界を遮断するのではなく、
大いに受け入れて、
室内の温熱環境を意識した
仕掛けの結果としてのデザインを
提案し続けていきたいと思います。
町田か邸にて。
サワラと十和田石に囲まれた浴室に、
コウヤマキの浴槽が入りました。
高貴な香りが辺りを包みます。
コウヤマキは、元々貴重な木でしたが、
秋篠宮に男の子(悠仁さま)が生まれた時、
コウヤマキがお印の木となったため、
更に手に入りづらい木となりました。
しかしいいものはいい。
加工しやすく、
木肌も香りも高貴で、
水にも強い、
丈夫な木です。