白壁から伝わること
二宮し邸にて。
階段廻りは、漆喰塗り。
以前も紹介したとおり、
この家の漆喰部分は
全て建主さんが
下地をこしらえ、
塗ったものです。
遠くから眺めても、
近くで観察しても、
ていねいにていねいに、
仕事を重ねた様子が
伝わります。
決しておカネはかけずとも、
ていねいに手をかけた家。
きっとこの家は、
長生きだ。
撮影:畑拓
二宮し邸にて。
家族の中心に立つカヤが
家全体の印象を柔らかくしていますが、
耳付きのマツの板が、
その足元を固めています。
無機質で「静」なるコンクリート土間、
あるいはサワラやマツ自身の
静かな色合いに対し、
自然の造形が覆い被さることによって、
空間に静かな「動き」が生まれます。
二宮し邸の
居間吹抜の東面。
上に向かって
カヤの丸太、
はしご、
白い漆喰壁、
障子、
という流れが、
気に入っています。
カヤの木が白い花を
咲かせたようにも見えます。
なお、
火打梁に架かっているはしごは、
吹抜西面にある窓を
開け閉めするためのもの。
あまり使わないとすれば、
何かを吊るすものとして
使っていただければと
思っています。