黄土の間
黄色の土は、
奥が深く、
落ち着いた印象を与えます。
また北側から差し込む淡い光が、
その印象を増幅させます。
ここは書斎。
鎌倉く邸の
梁間方向の2階床梁と、
屋根を支える垂木は、
全て尺八寸(約54.5cm)の間隔で
並んでいます。
建主の
居室の広さに対する要望などを踏まえ、
これが5つ分の間口で和室と寝室、
8つ分の間口で居間、
4つ分の間口で厨房や洗面所や書斎、
というように、
居室を割り付けました。
ふつう大工さんは、
三尺(約90.9cm)ごとに
通り芯を出して仕事するので、
かなりたいへんな思いを
させてしまいましたが、
三尺を基本に全てを割り振ると
ちょっと窮屈な感じが
するところが出てくるので、
尺八、にしました。
その代わり、
おかげで家全体が、
律動と奥行を感じる
空間となりました。
「尺八」という字の形も
末広がりな感じで、
なんだか縁起がよさそうです。
洗面所は、
居間と厨房の両方から、
入れるようになっています。
自分はこういう、
一点透視を強調する構図を
採り入れることが、
多いですね。
なお、
上部に見える黒っぽい枠は、
法律で定められている
コンロ廻りの垂壁。
鍛冶屋に作ってもらった、
鉄錆色の枠です。
そこに防火硝子が、
はめ込まれています。