葦と白
ここ数日、左官屋の湯田さんと
幾たびも対話を重ねることにより、
天井の意匠を決めました。
葦と漆喰と左官の技で、
白波の川のような天井が、
もうすぐ生まれそうです。
現場での対話の中から
生まれる意匠は楽しい。
職人さんたちのほうも、
いつもよりもいっそう熱心に、
仕事に取り組んでいるように、
見えます。
先週に引き続き、
左官屋さんご好意で、
「壁塗りお手伝いし隊」開催!
建て主と有志1名、
そして子どもたちが参加しました。
泥と子どもの組み合わせは、
とっても賑やか。
すみませんねえ本当に、職人さん。
しかし皆さん、あたたかく、
子どもたちの相手をしてくれました。
子どもたちにとって、
泥に触れ、職人と交流した
この日の思い出が、
将来、何かにつながってくれれば、
と思います。
一方建て主は。
駆けずり回る子どもたちをよそに、
一心に壁塗り。
やはり先週より今日、
だいぶうまくなりました。
夜中、
轟音響く風と、
叩きつける雨。
朝心配で現場を見に行きましたが、
やはり建物の中に
雨が吹き込んではいたものの、
基礎が‘プール’になった以外は、
基本的にはあまり影響はなく、
ホッとしました。
とはいえ、
基礎の‘プール’から
水をかき出さなければならず、
午後は大工2名と私、
途中からうちのヨメと
建て主の奥さんも加わって作業。
水のかき出し作業は、
足に腰にシンドくて、
正直気の乗らない作業ですが、
こうしてにぎやかだと、
気も晴れるというものです。
そしておやつの時間、
奥さんお手製の美味しいプリンを
みんなでいただきました。
おっ、太陽が見えてきた。
今日の午後、
建て主と現場へ行きました。
現場は、
昨日から泥塗り。
左官屋さんが
泥をこね、
泥を塗っています。
すると、
どこからともなく、
うちのムスメとムスコが現われてきて、
泥こねてます(笑)。
そして、
大きなしゃもじのようなもので
泥をすくい上げて、
塗り手の左官屋さんに、
泥を渡す役。
左官屋さんがやっていると
なんてことなさそうに見えますが、
これが実はたいへん!
泥が重くて、
腰を入れないと
すくい上がりません。
また、
次から次へと左官屋さんが
「泥ちょうだい」と来るので、
始終泥をすくい上げなかればならないのです。
しまいには、
手ですくって渡してましたが…
ま、そのほうが確実ですけどね。
一方建て主は、
コテとコテ板を手にして、
自分で塗ってみることに。
初めてコテを手にしたようで、
悪戦苦闘していましたが、
何とか役割を果たしました。
今回塗った壁は、
たまたま家具で隠れてしまうところだったので、
今度は自分の書斎の壁を、
泥塗りから仕上げまで、
手直しなしで、
全部自分でやってもらいましょう。
左官屋も、そうだそうだと、
にこやかに合意。
・・・
こうして泥塗りが始まると、
現場はにぎやか。
とくに子どもたちが、
現場になみなみならぬ
興味を持つようになりました。
泥の引力は強い。
昨日竹小舞が終わり、
今日から泥塗り。
1階の電気配線が終わったところから、
塗り始めました。
塗ったところは、
光を透かす格子から
急に‘壁’になったので、
ぐっと空間らしくなりました。
私はといえば、
連日電気屋と、
配線の打ち合わせ。
この段階で、
電気屋と密な対話が必要なのは、
伝統構法ならでは。
‘懐’がないところを
配線しなければならず、
一方で、
左官屋さんがすぐさま
‘追いかけてくる’ので、
電気屋さん、
たいへんです。
今日の午前は、
建て主が休みをとり、
竹小舞かきの体験。
左官屋の湯田さんに、
ていねいに教えていただきながら、
また二人で何だか楽しそうに会話しながら、
手を動かしてました。
そして午前中に壁一枚完了!
ということは、
これが残った最後の壁なので、
竹小舞作業が全て完了!
上棟に引き続き、
建て主に、
仕事の一つの区切りを
〆ていただきました。
建て主さんの熱意と好奇心はもとより、
こうした機会を作っていただく
温かい職人さんたちにも、感謝!です。
そのあと午後さっそく、
左官屋さんは、泥塗りの準備に入りました。
さあ、明日から泥塗りだ。