空とともに、現場もアツく
上棟から昨日までは、
大工は破風板や面戸などの加工のため、
下小屋で作業でしたが、
今日から3人現場へ。
また、
軒先換気口の加工のため、
板金屋さんも現場へ。
にわかに現場が、
活気付いてきました。
今日も太陽がまぶしい。
皆さん、身体には気をつけて。
上棟から昨日までは、
大工は破風板や面戸などの加工のため、
下小屋で作業でしたが、
今日から3人現場へ。
また、
軒先換気口の加工のため、
板金屋さんも現場へ。
にわかに現場が、
活気付いてきました。
今日も太陽がまぶしい。
皆さん、身体には気をつけて。
今日はいよいよ、
夏らしい、
ギラギラした太陽と青い空。
やはり夏は、
こうあるべきだ!
先日上棟を迎えた木たちを見てみると、
アツい太陽にさらされて、
急に柿渋の赤みがましてきました。
写真のとおり、
こうして垂木の間から、
空を見上げるのも、
あと数日の話。
少ししたら、
野地板が貼られ、
瓦が載る予定です。
その準備として今日午後私は、
アツいアツい太陽の下、
破風板や広小舞や面戸などに、
柿渋を塗りました。
こういう日の肉体労働は、
確かにキツイですが、
遠慮なく出てくる汗と、
それを撫でる夏の風、
私はキライではありません。
こういう日に飲む水が、
うまいんだ!
そういえば、
腕をしたたる汗を見て、
同じような空の下、
練習に明け暮れた日々のことを
思い出しました。
一昨日の上棟。
お祝いの宴が深夜に及び、
そして次の日、
先ほどの記事の通り、
早朝から一日山梨に出かけたので、
今日ようやく、
じっくりと回顧しているところです。
今回この家は、
大学時代の友人の家。
更に、お互いのヨメ同士も、
旧知の仲。
昔の友人の家だからといって、
家づくりに対する姿勢は
決して変わるわけではありませんが、
しかしやはり、
こうした関係での家づくりは、
実に楽しい。
今まで生きてきた歳月の
凡そ半分の付き合いになるわけですが、
出会った頃にはこういうことになるなんて、
全く想像だにしていませんでした。
改めてこの縁に感謝!です。
伝統構法の棟上作業。
本来ならば、
二三日がかりの仕事になることが多いのですが、
今日は一日で完了!
藤間さんたちの刻みが、
今回桁行方向にかなり間崩れした、
大工の頭を悩ます設計だったのに、
いつもながらほぼ完ぺき、
また今日手伝ってくれた方々も、
まだ若いけれど、
(今日は平均年齢30代前半くらいです。)
伝統構法を熟知した大工衆約10名、
さらに、
左官屋さん、水道屋さん、基礎屋さん…
他の職方も精力的に手伝ってくれたおかげです。
上棟のお祝いも、
これからこの家づくりに関わる職人たち、
近所の人たち、
柿渋塗りを手伝ってくれた人たち、
実に多くの人たちがかけつけてくださり、
改めてこうした、
伝統に根づく家づくりというのは、
たくさんの人たちの手と協力と愛のうえに
あるのだなあと実感。
回顧すればするほど、
込み上げてくる何かがある、
まさに感無量の一日でした。
今日は達成感と、
それと背中合わせの脱力感に、
私の身体は覆われていますが、
回顧はこの辺にして、
明日から、
今度は建物の完成に向けて、
前を向いて歩こう。
またきっと、
楽しい物語が待っている。
夕方、無事棟上完了!
垂木も取り付けが終わり、
引き続き上棟のお祝いを行いました。
まずは棟に、
大工の藤間さんが用意した幣串を立て、
関係者で記念写真。
次に四方払いの儀式。
建て主と棟梁と私とで、
建物の四隅に、
米と塩と酒で、お清めしました。
そしていよいよ次は、
皆さんお待ちかねの餅撒き!
最初に直径20cmほどの四方餅を
建物の軒の四隅から投下!
そしてそのあと、
餅だのお菓子だの小銭だのを、
豪快に投げ下ろす。
近所の子どもたちを中心に、
集まってくれた多くの人たちが、
歓声を上げながらとても楽しそうに、
しばしそれらの争奪戦を繰り広げていました。
私はこの仕事を始めて
初めてこうして上棟をお祝いしましたが、
いやー、これは本当に楽しい!
建て主が、
「これやるためにまた家建てよっかな」
と冗談を言うくらいでした。
こうして楽しく上棟を祝う儀式は、
昔昔はよく行われていたようですが、
昔の人たちは、
家の上棟は、
そこに住む家族にとって、
またそれだけではなく、
その家が建つ近所の人たちにとって、
‘お祭’という認識だったのでしょうね。
そしてその背景には、
膨大な時間をかけて、
大工が材木を刻み、
今日この日の準備を進めてきたことを
みんなでねぎらうという意味も、
あったことでしょう。
ということはこうした儀式は、
家と地域、
建主と職人
の密な関係の上に立っているともいえそうです。
よし、またこの楽しさを味わうために、
仕事しよう!
あ、だからといってこれから縁をいただく皆さま、
お祝いはその気持ちが大事。
そのあり方は色々でいいはずなので、
決して無理はしないでくださいね。
伝統的な木組みによる棟上作業は、
一日眺めていて、飽きません。
見学の見どころの一つは、
様々な継手・仕口が、
どのような方向で、
どのように接合するか、
これを見ることです。
大工や設計者は、
それぞれの継手・仕口を、
それらの強度もさることながら、
見えがかりの意匠、
あるいは仕事のしやすさなども踏まえて、
それらの仕様を決めていきます。
それでは、
鎌倉く邸を例題に、
伝統的な継手の一つ、
金輪継ぎの手順を
以下に示します。
三本の材木を継ぐため、
レッカーで作業のしやすい場所まで運びます。
まずは1本目を継ぐため、
材を横に移動。
材同士を
突きつけるようにかみ合わせ、
込み栓をゲンノウで打ち付けます。
次に2本目。
同じように込み栓。
打ち込んだ込み栓の頭を、
ノコギリで切り落とします。
これで、
3本一体となった材を、
レッカーで所定の位置に移し、
カケヤで叩き込みます。
今日は、
鎌倉く邸の棟上作業。
大工の藤間さんが、
数ヶ月間かけて刻んだ材木が、
いよいよ組まれる日です。
天気が危ぶまれましたが、
作業中はお陽さまが射すほどで、
何とか持ちこたえてくれました。
例によって、
ずっと作業を眺めていましたが、
いいですね、棟上作業は。
木組みの結果を見るのももちろんですが、
線だった材木が、
一日で空間として昇華する、
その過程が、
見ていてとても面白いですね。
結果としての空間は、
設計者側の意図ですが、
木を組み上げる過程は、
基本的には棟梁の意図であり、
それを感じるのがまず楽しい。
そして、
作業の一つ一つの過程を、
もう二度とその状態を見ることはないのだ、
という無常観も手伝って、
それらを見逃すまいと、
つい食い入るように見てしまいます。
そうですね、
一日がかりの生の舞台を観ているような感じです。
この楽しさは、
木の建築ならではですね。
今日改めて、
なぜ自分がこの道を選んでいるのか、
再認識しました。
さっき書いたとおり、
今日は一日柿渋塗り。
肉体労働で、
楽しみの一つは、
おやつの時間!
これは、
歳を幾つ重ねても、
変わりませんね。
今日は、
スイカと…
(藤間さんの差し入れ)
ココアシフォンケーキ。
(ウチのヨメ作)
身体を動かした後だから、
余計にうまい!
しかし、この至福の時間とも、
しばらくお別れ。
次は、板を焼くときですね。
ところでジェットくん、
おやつの時間にて、
「いいなあ…」
「ボクにもくれー!」