鬼瓦が来た
今日、
五十嵐さんの瓦の
第2便が届きました。
その中に、
棟に載せる
鬼瓦二つ。
恐いけど
少し愛嬌のあるその顔は、
家の一番高いところで、
しっかりと
この家を護ってくれそうです。
それともう一つ、
便の中に、
瓦で作った
建主の表札が入っておりました。
五十嵐さんの心遣い、
本当にうれしいですね。
藤岡の五十嵐さんが、
達磨窯で焼いた瓦を
屋根に載せるための
下地がほぼ出来上がりました。
五十嵐さんからご紹介いただいた
屋根屋の金子さんと、
あれこれ話し合ってこの下地に。
今回、瓦桟を受ける流れ桟を、
通常は左官壁の下地に使う、
木ずり板を使いました。
七寸八分間隔に並ぶ五分厚の瓦残と、
九寸間隔に並ぶ二分三厘厚の流れ桟、
さながら木格子屋根です。
これはこれでなかなか…、
と思っているのも束の間、
早速、軒先瓦と袖瓦が、
瓦桟に沿って、並び始めていました。
そういえばこの下地を見て、
いつだったかどこかで、
「瓦桟に使う木は、
外材よりも国産材の方がうんと長く持つんだ。」
と、そのときの屋根屋が言っていたのを、
思い出しました。
昨日は、
雷鳴轟く大雨。
そのため、
今朝現場を見てみると、
基礎にくるぶしくらいまで水が溜まり、
午前中図面を引く予定だった私は、
バケツ持って急きょ汲み出し作業。
作業当初、
なかなか水嵩が減らないので、
途方に暮れましたが、
やはり苦労は報われる、
お昼には目途が立ちました。
いやいやおかげさまで、
思いがけず、
腹筋と背筋が鍛えられました。
ところで昨日のカミナリ、
自宅で仕事をしていたら、
ピカッと光って
ドカンと鳴る音の間がとても短かく、
また工事現場が高台にあるので、
ちょっと嫌な予感がして
慌てて藤間さんに電話しました。
するとやはり、
現場から100mも離れていない場所に、
大きなカミナリが落ちたそうで、
その影響で、
どうも枝分かれしたカミナリが
こちらへ来たらしく、
雨が降ってきて野地板の養生をしようとするため、
屋根に登っていた藤間さんたちは、
ビリビリと感じるものがあったようです。
もちろん藤間さんたちは、
慌てて作業を中止し、地面に降りました。
カミナリの落ちた場所が、
工事現場よりも低い場所だったので、
カミサマが一歩間違えていたら、と思うと、
ゾッとします。
カミサマ、間違えてくれなくてよかった…
上棟から昨日までは、
大工は破風板や面戸などの加工のため、
下小屋で作業でしたが、
今日から3人現場へ。
また、
軒先換気口の加工のため、
板金屋さんも現場へ。
にわかに現場が、
活気付いてきました。
今日も太陽がまぶしい。
皆さん、身体には気をつけて。
今日はいよいよ、
夏らしい、
ギラギラした太陽と青い空。
やはり夏は、
こうあるべきだ!
先日上棟を迎えた木たちを見てみると、
アツい太陽にさらされて、
急に柿渋の赤みがましてきました。
写真のとおり、
こうして垂木の間から、
空を見上げるのも、
あと数日の話。
少ししたら、
野地板が貼られ、
瓦が載る予定です。
その準備として今日午後私は、
アツいアツい太陽の下、
破風板や広小舞や面戸などに、
柿渋を塗りました。
こういう日の肉体労働は、
確かにキツイですが、
遠慮なく出てくる汗と、
それを撫でる夏の風、
私はキライではありません。
こういう日に飲む水が、
うまいんだ!
そういえば、
腕をしたたる汗を見て、
同じような空の下、
練習に明け暮れた日々のことを
思い出しました。
一昨日の上棟。
お祝いの宴が深夜に及び、
そして次の日、
先ほどの記事の通り、
早朝から一日山梨に出かけたので、
今日ようやく、
じっくりと回顧しているところです。
今回この家は、
大学時代の友人の家。
更に、お互いのヨメ同士も、
旧知の仲。
昔の友人の家だからといって、
家づくりに対する姿勢は
決して変わるわけではありませんが、
しかしやはり、
こうした関係での家づくりは、
実に楽しい。
今まで生きてきた歳月の
凡そ半分の付き合いになるわけですが、
出会った頃にはこういうことになるなんて、
全く想像だにしていませんでした。
改めてこの縁に感謝!です。
伝統構法の棟上作業。
本来ならば、
二三日がかりの仕事になることが多いのですが、
今日は一日で完了!
藤間さんたちの刻みが、
今回桁行方向にかなり間崩れした、
大工の頭を悩ます設計だったのに、
いつもながらほぼ完ぺき、
また今日手伝ってくれた方々も、
まだ若いけれど、
(今日は平均年齢30代前半くらいです。)
伝統構法を熟知した大工衆約10名、
さらに、
左官屋さん、水道屋さん、基礎屋さん…
他の職方も精力的に手伝ってくれたおかげです。
上棟のお祝いも、
これからこの家づくりに関わる職人たち、
近所の人たち、
柿渋塗りを手伝ってくれた人たち、
実に多くの人たちがかけつけてくださり、
改めてこうした、
伝統に根づく家づくりというのは、
たくさんの人たちの手と協力と愛のうえに
あるのだなあと実感。
回顧すればするほど、
込み上げてくる何かがある、
まさに感無量の一日でした。
今日は達成感と、
それと背中合わせの脱力感に、
私の身体は覆われていますが、
回顧はこの辺にして、
明日から、
今度は建物の完成に向けて、
前を向いて歩こう。
またきっと、
楽しい物語が待っている。