階段
今日階段に、
ヒノキの手すりがつきました。
柔らかく注ぐ自然の光と、
照らされる漆喰の壁。
上に昇る気持ちを、自ずと高めます。
欄間が取り付きました。
この欄間は、葉山は桜花園発。
一年半前、
手に入れたのものなのですが、
漸く所定の場所に、
納まりました。
菱形の模様がとてもいい。
作られてから、
幾年経っても変わらない魅力。
現代でも十分通用する意匠です。
欄間は、
場所を閉じても、
気を通す装置。
模様も、
人が頻繁に扱う場所ではないので、
志向に合わせて様々。
機能的にも意匠的にも見直したい、
日本の装置です。
玄関に入ると、
ヒノキの框とサワラの床板が、
目に入ってきます。
サワラの床板は、
いつものごとく、岡部材木店から手に入れているのですが、
基本的に「節あり」の材を注文。
木なのだから、
「節があったほうが木らしくていいじゃない」
と思う一方で、
玄関に関しては、
大工の藤間さんの計らいで、
そのなかでも無地で表情のよいものをかき集め、
貼っていただきました。
こうしてみると、
やっぱりいいですね。
赤子の純真無垢な、
張りと弾力のある肌のようです。
そして、
葉紋仕上げの土間に引き続き、
こうした職人の、
単なる仕事を超えた粋な計らいは、
うれしいものですね。
玄関の土間は、
左官屋の湯田さんの手による
深草洗い出し仕上げ。
それだけでも、
風合いのある仕上げなのですが、
今回、
湯田さんの計らいで、
隅のほうに二枚、
葉っぱの模様が
ほのかに刻まれております。
こうした遊び心と
自然の造形が、
家の一部にあると、
柔らかい印象を与えます。
そして、
自然の造形は唯一無二。
紛れもなく、
‘この家は私の家’なのだという想いを、
いっそうかきたてる演出と
いえそうですね。