上で風を抜く
この家は
木組みのあやで、
差鴨居が随所に
入っています。
これにより、
梁と差鴨居に挟まれた、
欄間のような部分が
できるのですが、
その部分にところどころ、
風を抜くための窓を
設けています。
これから暑い夏が
待っていますが、
この窓たちが
利いてくれることを
期待しています。
暑さ寒さを
和らげるため、
日本の家には
縁側という外との緩衝帯を設け、
そこを介して、
閉じたり開いたりできる仕掛けを
作ってきたわけですが、
横浜こ邸もそれに倣い、
幅4尺の縁側を南側に設け、
夏は開放的に、
冬はどこからともなく
障子が閉められる
仕掛けを作っています。
どこからともなく、
というのが大事なところで、
障子は断熱性や意匠性に
優れていますが、
普通に引き違いで納めてしまうと、
半分は外への視線と風通しが
遮られてしまいます。
ですのでこの家に
取り付けられている障子は全て、
ありかなしかを選択できるよう、
壁に引き込まれるように
なっています。
2階の納戸には、
ステンドグラスが入った
小窓があります。
そこを開けて覗いてみると、
1階居間の様子と梁組みが
見えてきます。
こうして
小さくつなげることで、
家が何だか楽しいものに
感じられます。
そして案外、
小さな窓でも
風が通るのです。
畳が入りました。
大きな工事は
これでほぼ終わり、
あとは細々した仕事
ばかりです。
全てではありませんが、
今週中にほぼ終わらせて、
日曜日の完成見学会を
迎えたいと思います。
今日大工の二人は、
後片付けと清掃。
養生がかかっていた
設備機器等も、
その姿を現し始めました。
栗の厨房も、
浄水器が取り付けられ、
天板のフィルムを剥がして、
あとはガスコンロが
納まるのみとなりました。
横浜こ邸は、
南面が山になっています。
2階南側の窓は、
硝子戸も網戸も障子も
引き込まれる仕組みのため、
木の枠は四方だけなので、
ここから見える緑の景色が
切り取った絵のように見えます。