日帰り会津の旅
所用のため、
日帰りで
奥会津の生活工芸運動のまちに
行ってきました。
やはりこのまちは、
人が元気であたたかい。
人びとの活力が、
生活工芸運動に、
結びついていったのだろうし、
生活工芸運動が、
人びとをさらに、
元気にしていることでしょう。
そしてこのまちは、
川と森の美しいまちです。
漆喰壁と小屋組みの
美しいまちです。
今度こそ、
ゆっくり来たい。
今年の夏、
川の旅で四国に行くことにしたので、そのついでに、
いつも家づくりで必ず、
外壁や室内の壁の材料として使っている
土佐漆喰のふるさとを見に、
高知県南国市にある田中石灰工業の工場を
見学させていただきました。
夕方遅い時間であったにもかかわらず、
丁寧にご案内いただいたIさん、
ありがとうございます。
まずは土佐ならではの、
塩焼きで石灰を作る工程を見せていただきました。
土佐地方は石灰岩の宝庫で、
昔からこのあたりでは、
塩焼きで消石灰を作っているとのこと。
石灰分を多く含むとはいえ、
石灰岩は鉄分をはじめ、
様々な不純物が含まれているのですが、
塩類を投入して焼くことにより、
鉄分等の沸点を下げ、
不純物が除去しやすい状況を作り、
長い時間カマの中で焼き続けることで、
石灰分を精製するのです。
焼く装置はといえば、
深さ7〜8mもする徳利型の「穴」。
深ーい穴とはいえ、
‘機械’に頼らず、
思いのほか簡素なのですが、
物質の特性を生かし、
重油などで焼いて作るよりも、
とても純度が高い消石灰を作り出すそうで、
こうして焼いた消石灰は、
結晶形状も含めて、
建築向きだとのことです。
この装置を納める建物も、
写真のとおり、
築百年近くの、
とても風情のある建物。
簡単な装置と手作業が、
こうしたものを作り出すということは、
意外であると同時に、
実にうれしいことでもあります。
次に、
土佐漆喰はこの石灰に、醗酵した藁スサを混ぜて練ったものなのですが、
その藁スサの倉庫を見せていただきました。
土佐漆喰は、
この藁スサが‘つなぎ’の役割を果たし、
他の漆喰のように糊の成分を必要としないので、
糊の成分が水で流れることがなく、
外壁でも使えるのです。
強い雨風に晒されてきた、
土佐地方ならではの建築材料ですね。
さてその藁スサの倉庫の中ですが、
暑い夏の中、
さらに蒸し暑い状態でした。
きっとこの蒸し暑さが、
醗酵を促すのでしょう。
このことも含めて、
土佐漆喰は、
南国、土佐の風土が生み出したものと、
いえるかもしれません。
ところで倉庫の中は、
牛舎の匂いがしました。
あの匂いは、
牛特有の匂いかと思っていましたが、
藁の醗酵した匂いだったようです。
四国の川を旅したので、
予てより行きたかった、
伊予・内子の町に行ってきました。
昔々、蝋燭で栄華を極めた町のことだけあって、
白や黄色の漆喰、
赤いベンガラ、
そして屋根には重厚な懸魚や鳥衾、
壁には燻し銀が鈍く光る海鼠壁の意匠が、
目立つまちなみ。
いずれも、
銭と手間のかかる仕事です。
半日かけてこの町を練り歩きましたが、
こうした様々な建築意匠があり、
また、まちの風景が変化に富んでいて、
実に楽しいまち歩きでした。
しかし!
陽射しが揺れるほど暑い!
それだけに、
道中食べたカキ氷の、
実にうまいこと!
カキ氷を食べながら頭を冷やし、
こうして栄華を極めた建築意匠も
見て歩いて楽しいのですが、
別に栄華を極めなくても、
まちで暮らす人々が、
楽しい、美しいと思えるまちのことを思いました。
午後少し、
中心街を少し外れたところにある道の駅、
「からり」というところに寄りました。
最初はごく普通の道の駅かと思い、
そぞろ歩いていましたが、
なんだか他の道の駅とは様子が違います。
そこには野菜や加工品などの直売所があったのですが、
ほぼ全てといっていいほど、内子産のもの。
それらを、おそらく地元の人たちの手で、売っています。
そしてそれと併設して、
それらを食べさせてくれるレストラン。
眼下には川が流れていて、
大人も子どももそこで水遊び、
また川辺のデッキにも、
多くの人たちがそこで戯れていて、賑やか。
地元の人も、旅人も、
この場所を思う存分、
楽しんでいる様子がうかがえます。
ここの建物はといえば、
どこかの建築家が設計したと思うのですが、
配置計画、また細かい部分で
様々な‘芸’を感じる一方で、
主張しすぎず、贅を尽くすこともなく、
ここに居る人たちを温かく包み込んでいる感じがします。
何も予備知識もなくフラリと来たところですが、
直感的に、ハード・ソフト両面で、
実にいい取り組みの建物だな、と思いました。
先ほどカキ氷を食べながら思っていた空間が、
すぐここにあったのです。
「からり」の屋上。
屋上とは思えず、
建物の気配を消し、
緑と人を引き立てるかのように、
ハーブ園になっています。
四国の川の旅のあと、
男三人、
高知・桂浜に行ってきました。
川が流れ着く先は海、
ということで、
やっぱり果てしなく広がる海もいいなあ。
誰が提案するわけでもなく、
波打ち際に立ち、
遥かかなたの水平線を眺めました。
そのあとは、
「坂本龍馬記念館」へ。
確か私が学生だった頃、
一世を風靡した建物です。
伝統構法の建物を設計していますが、
たまにはこういう現代建築を見るのも、
いいものだ。
またここで、
坂本龍馬について学びました。
正直彼のことをあまり深く知りませんでしたが、
そこにある資料を読めば読むほど、
惹きこまれる人物ですね。
熱狂的な信者がいるのも、うなずけます。
そして彼は、
現代の言葉で表現すると、
揺るぎない信念と行動力を持つ、
たいへん優れた
「コーディネーター」だったようです。
たてものづくりやまちづくりの分野で、
コーディネーターと名のつく
仕事をしてきた私としては、
その意味でも彼の生き様、言動、
たいへん興味深かったです。
今日は、山梨へ。
仲間と力を合わせ、
自分たちで‘収穫’してきた地元の間伐材を使って、
ウッドデッキを作ろう!という企画を
支援するためです。
今週日曜日、おおぜいで大工仕事を行うのですが、
それに先立ち、今日は基礎工事を行いました。
半日で基礎工事が無事完了し、
これで当日のワークショップが楽しみ!
22日山梨で行いますので、
ウッドデッキ作りに興味のある方は、
ぜひいかがでしょう?
きらくなたてものやでは、
このように、
伝統構法による建築設計活動だけではなく、
身の廻りのものを使い、
自分たちの手と発想で、
自分たちの生活を豊かにしてくれる
何かを作るという取り組みを、
できるだけ支援していきたいと思います。
「自主施工指南屋」ですね。
こういう活動を通じて、
世の中みんな、
暮らしの芸術家になるといいなあ。
七月も半ば過ぎだというのに、
やや肌寒く、
そして一日霧雨のかかる日でした。
このため、
予定していた鎌倉く邸の、
土台敷きは、延期。
仕方ないですね。
今日、所用で、
自転車で稲村ガ崎に行きました。
霧雨に当たりながらも、
海岸沿いの道を、
気持ちよく走りました。
海には、
あいにくの天気だけど、
波が高いので、
思ったよりもサーファーがたくさん。
いいなあ。
そういえば自分のボード、
眠ったままだ…
夕方、
相変わらずの霧雨の中、
江ノ島を眺めながら帰路を走る。
海岸沿いの道は、
車もまばらで、
くるくる回る江ノ島の灯台も、
なんだか物悲しい。
七月の半ば、
きっと夏はまだ、
夏であるための準備をしているんだ。
いい夏が来ますように。
今日の夕方、
強い強い台風が来るぞ!
と思っていたら、
時折雲の合間から
夕陽が覗いたりして、
割と拍子抜けでした。
(外は今、風が強いようですが)
ただやはり、
台風が近づき気圧が低いせいか、
夕方までなんだか眠い感じでした。
さて、雨の上がった昼過ぎ、
外から我が家を見てみると、
長い雨に晒されて、
外の板壁が艶やかに濡れ、
外の土壁が湿り、
家が雨に、
洗われているようでした。
雨で変わる
家の風情も、
いいものです。
対して家の中は、
木と土が水を吸いとってくれている
という感じが、分かります。
雨でゆるやかに移ろう、
木と土の家の居心地。
連日雨が続きますが、
今日は、いつにもまして強い雨。
本当は今日、
鎌倉く邸の上棟が行われる
予定の日だったのですが、
天気予報を見て、
来週の土曜日に延期しました。
仕方ないですね。
お天気にはかないません。
そのかわり、
本来出席できないはずだった会合に、
参加することができました。
参加してみて、
今日その会合に、
参加できてよかったです。
雨のおかげです。
台風が近づいてきました。
今台風が直撃している地域では、
大きな被害が出ているそうです。
やはり人間の力では
とうていかなわない、自然の力。
そのかわり、
水不足に悩まされた地域では、
その心配がなくなったそうです。
(夏の川の旅が楽しみ!)
自然の仕業は、
畏れであり、恵みであり、
表裏一体。
そのことをとくと感じた日でした。
思っていたよりも梅雨らしく、
よく雨が降りますね。
今日も一日、家で仕事。
これで4日間、
鎌倉市域から出ていません。
しかしあしたは、
午後から東京。
というように、
今の行動範囲は、
鎌倉で日々を送り、
週に1〜2度、東京へ、
そして2週に1度、山梨へ、
といった感じです。
スーツ着て
ネクタイ締めて、
毎日1時間半かけ、
満員電車に揺られて
東京のど真ん中に通っていた日々は、
遠い昔の話。
もう無理だな(笑)。
とまあ、それはさておき、
こうした地元に根づいた生活は、
家づくりを仕事とする身にとって、
いい傾向だと私は思っています。
家づくりというのは、
生涯に何度もない機会。
家を建てようとするときは、
星の数ほどある設計者なり業者なりから、
唯一つを選ばなければならないわけで、
ということは、
基本的には‘縁’や‘相性’が大事。
その縁は、
やはり近くで見つかれば、
それにこしたことはありませんからね。
とくに伝統的な建築構法は、
それぞれの職人との連携があってこそ
成り立つものですので、
なおさら、です。
ということでこの世界は、
「地域制」にしてもいいのではないか、
と思っているくらいです。
あしたは、東京のど真ん中へ。
毎日だとウンザリ感じていたものが、
たまに大都会の喧騒の中に行くとなると、
ワクワクしている自分がいます。
いろいろな、楽しい人がいます。
いろいろな、楽しいできごとがあります。
やはり人間、
人によってその程度は様々でしょうが、
陰陽の調和、
ハレとケの行ったり来たりが、
心地よいのだと思いますね。
あ、写真は、
家の中にある渡り腮。
あまりに家に居るもので(笑)。
今日も一日家で仕事。
昼ごはんは、ごはんと味噌汁と納豆でササッと。
で、夜にもごはんのお供にイカ納豆。
そしたらさっきラジオで、
今日は「納豆の日」だと言ってました。
やっぱり今日は、
納豆をたくさん食べる
運命の日だったのですね。
納豆にもいろいろありますが、
昼は、先日プランツで手に入れた、
「ふくふく」を食べました。
この納豆は、
昔ながらの製法で作った、
正真正銘わら納豆。
これがうんまいのです。
わらの中に納豆がたっぷり入っているのと、
手間がかかっているのとで、
ちょっとお値段も高いですが、
これを買うときは、
うんまいこれを食べてる自分を想像し、
思わずニンマリしてしまいます。
HPでも紹介してますので、
ぜひご覧になってみてください。
http://www.fuku-fukuda.com/
そういえばピスカリア作るとき、
泥壁用のわら集めに苦労したので、
このわらをとっておいて、
足しにしたものでした。
全体に比べればわずかな量でしたが、
食と住って、
行ったり来たり、
けっこういろんなところでつながってるな、
と思ったものです。