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2006年1月4日

古き良き構法を伝えていくために

カテゴリー: 今日のできごと


我が家の壁には、いわゆる「断熱材」はない。
そしてこれから設計する家にも、自分の住んでいる周辺の地方で仕事をいただくかぎりは、基本的には断熱材を入れるつもりはない。

そのかわり、壁は竹小舞(写真参照)を下地とする厚さ約7cmの土壁と通気層と表皮となる仕上げで、屋根は厚板と通気層と瓦で断熱性を確保する。
気密性は・・・、我が家の場合、基本的に外部は木製建具なので、なし!(笑)。

今まで、自分で住んできた感覚として、「夏は涼しいですよ」「冬は寒くないですよ」と言ってきたが、この家の作り方を伝え続けていくために、やはり科学的立証が必要だ。
今年から室内の1階と2階、そして屋外の温度、湿度を調査することにした。

自分でもその調査結果が楽しみだ。

ちなみに、本日21時現在の調査結果は以下のとおり。
なお、暖房は1階にあるガスストーブのみ。

屋外
気温:1.4℃
湿度:70%

室内(2階)
気温:18.8℃
湿度:45%

仕事をするうえでは、ちょうどいい感じ。

2006年1月1日

寒いけど温かい時間

カテゴリー: 今日のできごと


新年明けましておめでとうございます。

一昨日まで年を越す実感が全くなかったのだが、昨日大掃除をし、こうして新年を迎えると、不思議なもので新たな気持ちになるものだ。

さて今年の正月は、久しぶりにゆっくりと家族と過ごした。
おせち料理をにぎやかに食べ、昼間は家の中でかくれんぼ、夕方は近所の神社と寺に初詣。
神社では早々にお参りを済ませると、境内にあるイチョウの葉をかきわけ、銀杏拾いを始める。
子どもたちはイチョウの葉のじゅうたんの中で宝探しをするような気分だったようで、夢中でたくさん拾う。
結局約50ヶの収穫。
収穫物を全て自分の上着のポケットに詰め込んだので、ポケットの中に何ともいえない臭いが立ち込める。
しかも昨日の大掃除で柿渋を木建具に塗り、手にその残り香が染み付いていたので、相乗効果で手の臭いはすごいことに。
やはり銀杏と柿渋の香りは似ている。

というわけで、外はとても寒かったけど、子どもたちの元気に引きずられて、温かい正月であった。

2005年12月31日

今年一年

カテゴリー: 今日のできごと

もうすぐ今年が終わろうとしている。
仕事に恵まれ、本当に充実した一年だった。
そして、自分のめざしている夢を強く信じていれば叶うのだ、ということを実感した年だった。
今年はいい出会いに恵まれ、2軒の伝統構法による家づくりに携わることができた。
そしてエコヴィレッジという名のコーポラティブハウス。

空間・時間・人を紡ぐ仕事。

今年を礎に、今の仕事を着実に継続して行っていきたいと思う。

それでは来年も皆様よろしくお願いいたします。

2005年12月30日

授業料と思って

カテゴリー: 今日のできごと

今年もいろいろな社会事件が起きてしまった。
小学生の子どもを持つ身として、子どもにまつわる事件は気が気じゃなかったし、鉄道事故でも信じられない映像が目に焼き付いた。
そして後半には、建築業界を震撼させる事件が。

いずれも、「安全」に対する神話と信頼が覆された事件であった。
自分で我が身を守る必要性を痛感する一方で、世知辛い世の中にならなければいいが。

今年起きた事件の中で最も印象深いのは、やはり同じ世界に身を置く者として、耐震強度偽造の事件であろう。
周りからもいろいろ見解を聞かれるし、自分自身もいろいろ考えさせられた事件であった。
耐震強度偽造に該当するマンションを買ってしまった住民の人たちに対して、安易に住宅を取得した姿勢を問い、当初自己責任を問うべきと考えていたが、よくよく考えてみたら、マンション買うときに、周辺相場よりやすいとはいっても、まさか建てる側の人間が法律をかいくぐってまで著しく強度の弱い建物を建てるとは思わんよな。
しかもこれだけ世間で多くの人がこの事件のことを知り、賢くなって自己防衛策を講じることができるんだから、国民が‘授業料’として、全額とは言わないまでも、税金で救済してもいいんじゃないの?と思う。

これで気になるのは、建築行政のあり方だ。
その話についてはまたおいおい。

2005年12月21日

冬の空の色

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一昨日の神奈川の冬の里山にて。

冬は早く日が暮れる分、太陽は色で私たちを楽しませてくれる。

2005年12月19日

冬の里山を歩く

カテゴリー: 今日のできごと


神奈川県の冬の里山を歩く。
ナラやクヌギの林である。
ところどころ、スギヒノキの植林もある。

ここで3月ごろに里山木工教室などのイベントをやろうというわけだ。
そのしかけのための下見。

ここは前も来たことがあるが里山は、季節ごとに表情を変えるので、何時来ても新たな風景の発見がある。

それにしても、西には富士山が、東には遥か遠くに横浜のランドマークタワーが見える、気持ちいい場所だ。
見晴らしが良い分、今日は風が強すぎた。
頭が痛くなるほど頭が冷えた。

ではでは皆さん、イベントのときはぜひお越しになってください。
温泉もあるでよ。

2005年12月14日

実像と虚像

カテゴリー: 今日のできごと

朝現場に向かう車の移動中、ラジオから株の誤取引に関するニュースの続報が流れてきた。
ある証券会社の誤った売り注文により、別の証券会社が120億円(数字はうろ覚え)の利益を得たとのこと。
情け容赦ないなあ。
もともと株や投資に興味はないのだが、一体資本主義って何だろう、と思った。
自分のことだけ考えていりゃいいのか。

人間、基本的には失敗はないほうがいい。
その中でも、医療ミスだったり、あるいは砂糖を塩と間違えるような取り返しのつかない失敗は許すべきではない。
失敗したら、損失を伴うのも分かる。

とはいえ残念ながら、善意で行動していたとしても人間には失敗は必ずある。
しかし失敗があったとき、それを補おうとするのが人間というものではないだろうか。
それが結果的に人間社会全体の利益につながるからだ。

「人間社会」なんて、少し説教くさいか。
例えば、自分の仕事の世界で話をしよう。

自分は建物づくりを仕事としている。
建物づくりの現場は、仕事の期間が長い。
その期間の中で、失敗がないようにするのが我々設計屋の仕事であるが、残念ながら失敗はつきものなのである。
しかし失敗が起きたとき、あるいはそれに気づいたとき、必ず関わっている皆で失敗を補う力が働く。
なぜならそれを放置していたら、必ず建物全体の不利益につながるからだ。

建物づくりのように「実像」の世界では、モノづくりでも商売でも、「全体」のことも考えなければうまくいかない。うまくいったと思っても、長続きしない。
やはり常に「全体」のことを意識し続ける必要がある。

とはいえ、「全体」のために欲望を抑え、献身、犠牲心こそがいちばんの美徳、と言うつもりはない。
それはそれでとてもすばらしいことだと思うが、それを押し付けるつもりはさらさらない。

人間は基本的には自分がいちばんかわいい。
それは間違いない。
むしろ、どうしたら自分が得になるだろうか、という感覚を持ち続けることはとても大事だと思っている。
それが、段取りのよさ、仕事の質の向上、さらには逆説的だが献身的な働きにつながると思うからだ。

しかし「実像」の世界では、自分のことだけ考えて行動していたならば、結果的に自分が損になるようにできている。
だから、「全体」のことも考える必要がある。

一方、「虚像」の世界ではどうだ。
文字どおり自分のことだけを考えていればいい。
あるできごとによって利益不利益を被るのは、基本的には当事者だけだ。
ゲームの世界。

あまり経済については明るくないので偉そうなことは言えないが、「資本主義」というのは、つきつめれば「カネ」のみがモノサシの、「虚像」の世界だ。
件のニュースで、損した儲けた、なんて話も、「マジメ」な人たちが真面目そうに取り組んでいるから錯覚するが、結局はゲームやないの。
その「虚像」の世界が巾を利かせ、世の中を動かしていることに、少なからず不安を感じる。

現に今、モノ作りの現場、人間臭いやり取りのある商売の世界、「実像」の世界がどんどんと我々から遠のいていないか?
生産は効率第一の機械に頼りっきり、そして生産の場所は土地代の安い、我々の見えない世界へ。
モノの取引や飲み食いも、まるで機械が対応しているような大型ショッピングセンターやチェーン店。
そして子どもたちの遊びは、ドロケイからテレビゲームへ…

もう将来の不安なんてどうでもいいや、そんな世の中、おもろないやん。

さあ、明日も現場現場。

2005年12月6日

年を重ねても変わらないもの

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昨日はI邸のIさんが勤めているお店「Kuh」で、久しぶりに大学のラグビー部の同期連中5人でメシを食った。
ここのメシは相変わらずうまい。
とくにごはんとみそ汁。

さて、ラグビーを引退して早12年経ち、トシも34〜35歳になるが、みんなまだ風貌に極端な変化はない。
しかし、昔は顔を合わせればアホな話ばかりしていた連中だけど、今こうして話をしてみて、12年間それぞれがそれぞれの道を歩んできた蓄積を感じた。

そういえば話の中で、3月4日、5日と、恒例になりつつある「カマクラ作成ツアー」を開催することになった。
今から宣言しておけば、仕事の予定はきっと入らないであろう。

夏は川の旅、冬は雪国へカマクラを作る旅。
大人になっても、楽しむ心のつながりは、いつまでも続く。

2005年12月1日

あ〜もう12月か。

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今日の夕方、娘にせがまれて、クリスマスの飾り付けをした。
いつだったか東急ハンズで買ったニセモノのモミのワッカにいろいろ飾り付けをして、渡りあごのところにひっかけると、ぐっとクリスマス気分に。

作りながら、あ〜もう12月かいな、とつぶやく。
今年はほんとうに時の経つのが早く感じた。

手帳をパラパラとめくってみる。
すると、今年に入って予定の入っていない土日が一日しかなかった。

それほど充実していたのだろう。

今年もあと少し。
しかしあと少しで結末を迎える物語もあれば、これから始まる物語の準備もある。
今年最後の踏ん張りどころ。

ところで、伝統構法の家にクリスマスの飾りも悪くない。
影がきれいでしょ。

2005年11月30日

15年来の話が続きますが

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今日は珍しくずっと家で作業。

大学1年のときから使っている、事務机用の椅子がついにぶっ壊れた。
応急措置として、半径30cmないような円形の折りたたみ椅子に座っている。

ずっと座っていると、さすがに尻が痛い。
しかも、椅子が動かないということがこんなに苦痛とは思わなかった。
最近の椅子は、やっぱり人間工学的にちゃんと考えられているんだろう。

しかし、忙しいときに何でこうなるんじゃ〜。
たまらずアスクルで椅子を発注した。