我が家の窓の改造開始
我が家で大工の藤間さんが
これから数日間仕事します。
約16年前に建てた家、
当時の情熱があったからこそ
建てたこの家に、
16年の間に得た知恵を
付け加えて、
より快適な住まいへとするために
開口部を改造します。
完成したら、
また報告します。
我が家で大工の藤間さんが
これから数日間仕事します。
約16年前に建てた家、
当時の情熱があったからこそ
建てたこの家に、
16年の間に得た知恵を
付け加えて、
より快適な住まいへとするために
開口部を改造します。
完成したら、
また報告します。
9月1日。
夏が終わりました。
今日の昼間は、
まだ夏の続きのような
暑さでしたが、
9月に入ると突然、
夕方6時頃の夕焼けが
どこか寂しげに感じます。
そして日が暮れると、
涼し気に秋の虫が鳴き、
窓から爽やかな風が入ります。
夜が涼しくなればなるほど、
日中どんなに暑くなっても、
木と土の家は、
朝までの空気の名残を
残してくれるので、
エアコンのない我が家でも
それほど不快ではありません。
実は今年の夏、
約4畳の場所に
私含めて3人が詰め込まれ、
3台のパソコンと、
1台の複合機が稼働して、
部屋の中からも熱を発している
事務所の環境を見るに見かねて、
周囲の人たちから
エアコン入れなよ、
という強い勧めがありました。
自分は暑いのは大丈夫なのですが、
所員のことを考えると…、
という思いもありましたし、
8月上旬に気温が34、5度まで上がった時は
正直申して心がぐらつきました。
しかし振り返ってみれば、
寝る時間までホントに暑い!と思ったのは
7月末から8月上旬の
4、5日程度でしょうか。
お盆を過ぎてしまえば、
涼しいと思う日すらあったし、
またその日があったおかげで、
次の日どんなに暑くなっても、
家の中はそれほどでもなかったし、
8月下旬以降はエアコンなくても
無理なく乗り切ることができました。
それは身体が猛暑に晒されて
暑さに慣れたから、ということも
あると思います。
一方でもしかして、
夏のいちばん暑い時に
エアコンを入れてしまったら、
峠を越えたこの時期でも、
エアコンを使ってしまっているような
気がします。
ところでお盆の時期、
世間はなぜ仕事をお休みとするのか、
エアコンがない暮らしをしていると、
よく分かります。
はい、単純に、
仕事をする気が
起きないからですね(笑)。
暑くてたまらない時期は、
無理せず休んで、
川でも海でも山でも、
涼しい場所に行けばいいのです。
事実きらくなたてものやも、
お盆前後は大型連休にしてしまいました(笑)。
こうして
もはや絶滅危惧種の
エアコンのない自宅兼事務所暮らしは、
しばらく続きそうです。
今朝は大仏の近くで仕事。
少し待ち時間があったので、
ハイキングコースの階段を昇り、
大仏切通しを歩いてみました。
最近は平らなグランドを走るばっかりで、
こうした山道を歩くのは久しぶりでしたが、
なかなかいい負荷の運動でした。
また数百年の間、
ここでたくさんの人が
行き来したのかと、
思いを馳せながら、
緑に覆われ、
蝉の鳴き声ばかりで
人は誰もいない
土の道を歩くのは、
とても気持ちよかったです。
鎌倉の夏は、
海、という印象がありますが、
山もなかなか。
いや一日で
海、山、両方楽しもうと思ったら、
楽しむことができるのが
鎌倉の楽しいところの
一つだと思いました。
とはいえ最近、
海も泳ぎに行ってないな(笑)。
内装が自然素材で作られている
某集合住宅の室内で、
硝子の間仕切り壁を作りました。
透明硝子と
タペストリ調硝子を
組み合わせたら、
なんだか懐かしい
感じになりました。
懐かしいと感じるのは
何となくなのですが、
何でなのか考えてみたところ、
昔の駅舎の窓口を
思い起こすからでしょうか。
ところで取り付けた建具は、
十年来使っていなかった建具の再生です。
その建具の鏡板に鏡を貼り付けて、
奥行の深さを感じる場所となりました。
昨日の選挙の結果が
明らかになりました。
今回も自分が投票した候補者は
落選してしまいました。
しかし今取り組んでいる伝統工法の仕事も含めて
「少数派」にいることに慣れてしまっているのか(笑)、
悔しいのはその日までで、
一晩寝ればこれまでどおり
制度や仕組みに翻弄されることなく、
地域の愛すべき仲間たちとともに、
おいしい、楽しい、安全な暮らしを
作っていくのみです。
「少数派」と言えば、
私は子どもの頃から、
神奈川県に住んでいながら
野球は広島カープファンでした。
もちろん小学生の頃、
クラスに‘同志’はいませんでした。
しかし広島県出身だった
父の影響もあったとはいえ、
子ども心に、
たいして資金力のない一地方球団が、
地道に選手を育て、
信念を持って「金持ちの巨大戦艦」に挑む姿が
とてもかっこよく映りました。
今でもその球団の色は変わりません。
これまではしばらくの間低迷していましたが、
今年はまさかの快進撃。
信じて応援し続ければ、
こういうことがあると
喜びもひとしおです。
この日を夢見る
幸せをかみしめながら、
共感できる人たちを
応援し続けていきたいと思います。
先日の「遠足」で伺った、
達磨窯が鎮座する五十嵐さんの工場にて。
ここへ訪れると、
現代の瓦と達磨窯で焼いた瓦の
違いを説明するために
五十嵐さんは水の溜まった古い風呂桶に
二つの瓦をジャボンと入れて見せます。
現代の瓦は
水が全くひかないのに対して、
達磨窯で焼いた瓦は、
みるみる水がひいていきます。
つまり瓦が
スポンジのように
水を吸うことの証拠です。
これにより
雨が降ると一時的に屋根が重くなる反面、
瓦の裏は水分、どころか、
湿気がこもることがなく、
また雨が降った後に
お日さまが照り、
水分が蒸発することによって、
気化熱が奪われ、
屋根に熱が
こもりにくくなります。
これは外壁に木の板を張った場合も
木も多少水を吸うので
似たような現象が起こります。
つまり現代は、
雨を含め外部のものは
徹底的に排除する、
一方で伝統的なものは
いったん受け入れて徐々に流す、
そんな考え方の違いが
瓦からもはっきりと読み取れます。
もっとも古い時代は、
技術的にそうするほか
なかったのかもしれません。
しかし雨に限らず、
「いったん受け入れて徐々に流す」
という素材の作法は、
なんだかとても日本的で
日本の気候風土に
合っているような感覚が
私にはあります。
実際に温度湿度の高い夏場は、
現代の家よりは格段に
小屋裏部屋が快適だし、
今のような梅雨時も、
家の中の空気がさらっとしています。
じゃあその効果のほどを
具体的に科学的に証明せよと
この現代は言われそうですが、
体感して気持ちいい、
まずはそれで
よいではありませんか。
余談ですが人間関係も、
そのほうがうまくいきそうです。
今日の夜は、
きらくな反省会の日。
きらくなたてものやでは、
3カ月に一度、
仲間の職人たちが集まって、
酒も飲まずに真剣に
反省しあう場を設けています。
今回も気がつけば、
みんな現場の後の
疲れている時間にもかかわらず、
三時間近くも話し合っていました。
いい仕事をし続けるには、
仲良し、だけではダメ、
いいところはいい、
気になるところは気になると
お互いに言い合える関係であることが
大切だと思うのです。
昨年末、大工の一人が
やろうと言い出してくれた時は
とてもうれしかったです。
熊本地震の後の様子を見て、
より謙虚に、より確実に
仕事をしなければならないと
肝に銘じた直後でもあるので、
反省会は、
より有意義なものに感じました。
また本当に、
素晴らしい仲間たちに恵まれたと
改めて思いました。
先週三日間、
全国の仲間の大工たちと
熊本に行ってきました。
鎌倉からクルマで向かったので、
所要時間は行き16時間、帰り17時間。
久しぶりに「旅をした」という感じでした。
いろいろ体験したり、
見てきたことを報告するには、
少し頭の中を整理する必要があるため
後日行わせていただくとして、
私がとても強く
心に残ったことの一つは、
たとえ大地が激しく揺さぶられ、
真横で道路やたてものなどが
大きく壊れていても、
多くの木々は、
地滑りなどで地面自体に
大きな変形がないかぎり、
何事もなかったように、
静かに立っていたということ。
生きもののたくましさに
心打たれるとともに、
大げさかもしれませんが、
ひょっとすると地震の被害の大半は、
人間の作り出したものが
原因なのではないかと思いました。
関連する話として、
熊本に滞在中、
液状化被害の専門家の方に
お話を伺う機会をいただいたのですが、
液状化の現象が
起こる場所の大半は、
元々が砂地、とか、
地盤の強弱というよりは、
海や川、池などを
人工的に埋め立てた土地とのこと。
なるほど。
もしかしたら巨大地震は、
自然界の中で人間の存在の小ささを
まざまざと私たちに見せつけ、
私たちに反省点を突きつける
機会なのかもしれません。
「人工」に携わる者として、
先週目にしたことを心に焼き付け、
これからの仕事に
活かしていきたいと思います。
化学物質過敏症の方が暮らす
住まいの建具を交換しました。
元々は、‘襖のような’建具、
それを杉の板戸に交換したところ、
部屋の居心地がだいぶ変わったようで
よかったです。
同じ杉でも
産地や部位によって
樹脂成分の揮発が
多いものと少ないものがあり、
多いものはやはり
匂いが気になる傾向にあるので、
建具職人と
綿密に打ち合わせをして、
吉野産の源平材を
選ぶことにしました。
事前に現物の様子を
確認していたとはいえ、
心地よくなったと聞いて
本当にホッとしました。
一方で元々入っていた建具ですが、
現在ではよく使われている
建具の一つです。
しかし使われている素材は、
人工的に紙に似せたもの、
あるいは人工的に木に似せたもの。
そしてそれらを
人工的な接着剤で
貼り合わせています。
化学物質過敏症の方々は、
それらに反応します。
鈍感な私たちも
処分しようと思って
それらを燃やしたら
よく分かります。
鼻が曲がるほどの
異臭を放ちますからね。
化学物質過敏症の方々の反応は、
私たちに対して
警鐘を鳴らしているような
気がしてなりません。