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2015年1月5日

2015きらくな年賀状

カテゴリー: 今日のできごと


新年明けまして
おめでとうございます。

本年も変わらず、
伝統的な手法を参考に、
現代を心地よく楽しく
暮らすための場づくりに
努めてまいりたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。

さて今年の年賀状は、
「光と影を編む」と言葉を添えて
「きらくな網戸」を
紹介させていただきました。

現在きらくなたてものやが
定番のようにこの横格子網戸を
使っているので、

いつしか私の仲間たちは、
これを「きらくな網戸」と
呼ぶようになりました。

よく言われることですが、

ものごとには必ず
陰と陽がある。

影があるから光が生きる。

そんなことを暗示させる
「きらくな網戸」ですが、

この網戸は約三年前、
実は家づくりに要するおカネを
少しでも削減しようと考えた末に
生み出されたもの。

当初は、硝子戸、網戸、雨戸、
という三種類の引込戸を
設ける予定だったのですが、

雨戸は家を風雨から守る、
というよりは、

暑い日の夜、
安心して風を通したいという
要望を踏まえてのことだったので、

だったら建具の本数を減らすために、
鍵を掛けながら
風を通すことができないものかと
網戸をデザインすることにしました。

結果、
当初の目的を果たすだけではなく、
この光と影を編むような建具の影が
とても美しく、
また思いのほか外の風景を
阻害しないので、

とても気に入って、
それ以来ことあるごとに
提案しています。

このように、
かけるおカネを減らす、という
一見「陰」の要素にみえることですが、

それがあるからこそ、
いろいろと知恵を巡らせ、
新たな工夫という
「光」が生まれる。

その意味でも
この「きらくな網戸」は、
「光と影を編む」象徴とも
いえるのではないかと思います。

これからは人口が減り、
それに伴って
私たちがいる建築の世界も
需要が減って、

そろそろたいへんな時期に
差しかかろうとしています。

ましてや伝統的な工法は、
「絶滅危惧種」。

そんな「陰」「影」の要素が
押し寄せる時代だからこそ、

それらに打ち勝つとか、
負けるとか、
そういうことではなく、

如何に影に光を
織り込むことができるか、
私たちの生き様が
問われるのだと思います。

そんな思いで今年一年、
引き続き楽しく心地よく
暮らしていきたいと思いますので、
皆さまよろしくお願いいたします。

2014年12月31日

年末恒例、家族でピスカリア

カテゴリー: 今日のできごと


昨晩は家族でピスカリアへ。

年末最後の営業日の夜、
家族でここへ来るのは、

たとえ子どもが来春
受験だろうと(笑)
毎年恒例になりました。

なかなか家族のために
時間を割けず、

家族の器を作る者として、
もう少し自分の家族を
大事にしなければ、
と反省しきりの日々ですが、

きらくなたてものやを
立ち上げて間もない頃、

幸いにしてこの場所と
ご縁をいただいたことで

家族で何かというと
家族みんな大好きなこの場所へ
通うこととなり、

こうして家族と
楽しくおいしく気持ちよく、
変わらず過ごすことができるのは、
本当にこの場所のおかげです。

きらくなたてものやの活動で
大事にしたいことは、
家族、楽しいこと、
おいしいこと、気持ちよいこと。

なんというかピスカリアは、
自分にとって色々な意味で
原点の一つなのです。

その原点を
十分に堪能した今、

今日は目いっぱい
来年の準備に
取り掛かろうと思います。

自然栽培によるキタアカリの
ニョッキ。

これは本当にうまい。

季節野菜の
スパゲティ。

数あるパスタの中で
結局これがいちばん好きかも。

この季節限定の
パネットーネ。

ピスカリアのドルチェは、
どれ食べてもおいしいので、
本当に迷います。

9年近く
使い込まれてきた
クリの床板。

いい感じに、
色づいています。

2014年12月29日

結のみかん

カテゴリー: 今日のできごと

今日は鎌倉の仲間たちと
小田原で約300年続く、
みかん農家のあきさわ園さんへ
農作業のお手伝いに
行ってまいりました。

あいにくの雨でしたが、
雨でもやることはたくさんあって、

今日はみんなで
みかんを拭いたり、
みかん小屋で
保管用の箱に詰めたり、
出荷用の袋に詰めたり、

みっちり日が暮れるまで
働きました。

普段はこの作業を
家族だけで行っているようです。

少人数で
この単純作業の繰り返しを
行ったとすれば、
途方に暮れるだろうと
想像してしまうのですが、

今日のように
たわいもない話でもしながら
大人数でやれば、
楽しい、気持ちいいとすら
思える作業です。

これは同じく
膨大な手間を要する
竹小舞や泥コネなどと
一緒ですね。

単純作業は、
「現代版結」の仕組みのもと、
共同作業にすればいい。

今日初めて出会った人も
共同作業を通じて達成感を共有することで、
なんだかいつの間にか
仲良しになったような気がします。

しかもこうした農作業の場合、
ヒトとヒトとが交わるだけではなく、

労働の対価が
とてもおいしいみかん、という
モノ、コトの交換なのもいい。

また折りを見て、
みんなで押しかけたいと
思います(笑)。

おっと、
来月1月14日の竹伐りは、
ここで行うのでした。

また竹林が
光と風の通る空間になるのが
楽しみです。

みかん畑の一角で
勢いよく生えている竹。

次回はこの竹を
いただく予定です。

2014年12月28日

サケを囲んで

カテゴリー: 今日のできごと

昨晩は今年最後の
鎌倉や邸での集まり。

今年も何度となく、

たくさんのおいしい
持ち寄りごはんを囲みながら、

たてものやエネルギーの
活動を通じてご縁をいただいた
気がおけない仲間たちと
夜遅くまで語り合ったり、

あるいは新たな出会いを
いただいたりしてきましたが、

今日も北海道の鮭を使った
様々なおいしい料理と、
食堂ぺいすのお寿司やお菓子を
いただきながら、

いつの間にか日付を
またいでおりました。

今「幸せな時間は?」
と問いかけられたら、

真っ先に
思い浮かぶことの一つは、

この場所での、
身も心も解きほぐされる
もう一つの大家族といるような
この時間です。

最近自分の仕事は、
たてものやエネルギーを介して、

人と人、
ものと人をつなぐ
つなぎ役なのかな、

と思っているのですが、

その積み重ねが
この幸せな時間を
作ってくれているような
気がします。

これが今私が語れる
私なりの幸福論。

その先に待っている
幸せな気持ちをを信じて、

ご縁がかみ合う歯車を
来年も引き続き
回し続けていければと思います。

2014年12月26日

2014きらくな忘年会

カテゴリー: 今日のできごと

きらくなたてものやは、
公式には今日で仕事納め。

道具部屋を整理し、
年賀状も用意して、

夜はきらくな忘年会。

所員は私含めて
3名の事務所ですが、

毎年恒例、
きらくなたてものやを支えてくれる
たくさんの仲間の職人たちが
たくさん駆けつけてくれて、

今回も楽しい夜でした。

中には鎌倉から遠い、
埼玉県や青梅からも
何人か来てくれました。

紙に線を描くだけでは、
たてものは現実のものとはならない、

哲学を共有し、支え合い、
時に提案し合い、
腕を磨いた各種の職人が
一通り揃ってこそ、

たてものづくりが成立します。

この仲間たちあっての
きらくなたてものや、

来年もこの仲間と
仕事できる喜びをかみしめながら、
たてものづくりを進めてまいります。

2014年12月21日

今年も年の瀬に竹伐り隊

カテゴリー: 今日のできごと

ここ近年、
年の背に竹伐り隊を結成することが
恒例となってきました。

そればかりか今年は、
10月も11月も、
下弦の月から新月の期間を狙って、
竹伐り隊。

今日で三カ月連続です。

竹伐り隊は、
気持ちいいので、
こうして毎月のようにできること、
とてもうれしく思います。

しかも毎回、
建主さんそれぞれの
心のこもったおもてなしに
とても幸せな気分になります。

さて今日は、
建主さんのお子さんが
通っている自主保育のお仲間たちが
大ぜい集まってくださって、

人数はきちんと数えていませんが、
大人15名はいたでしょうか。

また小さな子どもたちも、
それと同じくらい、
いやもしかしたら
それ以上の人数いました。

子どもたちの声援と、

時に「わたしにもやらせて」
といった感じで
お手伝いしてくれて、

とても賑やかに
作業を進めることができました。

そしてなんといっても、
建主さんは今日二升!分の
おにぎりを用意してくださり、

また近所のお友だちも
ご自宅を開放して
お昼と夕方、
とてもおいしい料理を
ふるまってくれて、

きっと一日身体を
動かしたエネルギー量を
補って余りあるほどの(笑)
お食事をいただきました。

参加者の皆さんも
口にしていましたが、

もし数人で作業してたら、
途方に暮れる仕事、

だからこれまで
竹林に手が入らず、
荒れ放題になっている
ところばかりに
なってしまいましたが、

竹小舞という
使い道を通じて
楽しくおいしく
竹林に手が入り、

気がついたら
光と風の通る竹林に
生まれ変わります。

こういう過程と結果が
あるからこそ、

土壁はやめられません。

子どもたちが生き生きと
野山を駆け回り、
おいしそうにおにぎりを
ほおばる姿を思い出しながら、

土壁が昨今の
「省エネ化」だけで評価され、
それに振り回されてはなるまいと
改めてそう思いました。

ということで
今日の成果は、
割り竹の状態で650本!

皆さん、
ありがとうございました!

二升分のおにぎり(の一部)。
汗を流した後だから、
余計にうまい!

直火で沸かしたスープも
うまい!

この写真は、
参加者のごく一部ですが、

ご覧のとおり、
大人の数と同じか、
それ以上いる子どもたち。

作業が終わり、
日が暮れた後は、
火とおいしい食事を囲んで、
しばらく皆さんと
交流を深めました。

2014年12月5日

さらば相棒

カテゴリー: 今日のできごと

きらくなたてものやの旗揚げとともに
ともに歩んでちょうど十年。

各部の損傷が激しく、
おカネを積めば直せるのでしょうが、
ついに腹を決めました。

月まで行きたかったのですが、
あと2万6千㎞という地点で断念。

木、石、藁、竹、泥、瓦…、
様々なものを運び、
過酷に走った十年間、

本当にありがとう。
そして、さようなら。

2014年11月17日

石の橋渡し

カテゴリー: 今日のできごと

今日は‘きらくなうんそうや’(笑)。

ご縁の工務店さんの直近で
大谷石の廃材が
たくさん出るというので、
それらを引き取り、

いったん横浜す邸に
立ち寄った後、

逗子せ邸に運び入れ、

縁側から庭先に降りる段として
敷き並べました。

ちょうど工務店さんが
示しを合わせたかのように
逗子せ邸の近くに用事があり、

重い重い石を運び入れる際に
手伝ってくれたので、
たいへん助かりました。

石は捨てるのも高ければ、
買うのも高いですからね。

私たちの役割は、
色々な意味で「橋渡し役」。

こうして捨てる運命の話を
聞きつければ、

次に活かす方法を
考えたいものです。

2014年10月30日

お互いによいこと

カテゴリー: 今日のできごと

今日の午前は、
鎌倉の潮風香る丘の中腹に
数年前作らせていただいた
大きなバルコニーのお手入れ。

入念に雑巾がけしたあと
柿渋コートを塗り重ね、
だいぶ見違えるようになりました。

こうしてお手入れに
関わらせていただくと、

たてものにとっても
よいわけですが、

経年変化の様子が
よく分かるので、

私たちにとっても
ありがたいことです。

2014年10月26日

根っこが大事

カテゴリー: 今日のできごと

先日、木の家ネットの総会で
加子母村の森を訪ねて耳にした
印象的な言葉の一つ。

その山に生えていた桧は、

日本の人工林の多くで
取り組んでいるような
密に苗を植えて
枝打ちや間伐を
繰り返してきたものではなく、

全てが実生で、
つまり土に埋もれた種から
生えてきたもの。

適度に間引いていく作業は
共通していますが、

村の人たちが、
その森に芽生えた
小さな命を育てていくにあたり、
大事にしてきたのは根っこ。

なので見学に先立ち、
ご案内してくださった方が、

「木の根っこを
ぜひしっかりと見てください。」と。

根っこは地面に埋まっているのに
どうやって見ればいいのかな、

なんとなく肌で感じればいいか、

とくらいに思って
山道に入りましたが、

歩を進めて割とすぐ、
その理由が分かりました。

土の中から
少しだけ見えている根っこが
とにかく気持ちよさそうに
奔放に伸びています。

桧の合間に
様々な樹も生えていて、

今まで見てきた人工林とは違う、
大らかな気持ちよさが
そこにはありました。

なるほど、
こういう人工林のあり方も
あるのか。

根っこを大事にして
育てることはこういうことかと、
人間の世界にも
通じるものがあると思いました。