ふわっと柔らかい
武川の古民家にて。
昨年晩秋の文化の日に
みんなで叩いた土間が
一部ご開帳。
セメントで固めた土間と
似ているといえば似ていますが、
やっぱり一見して
表情がふわっと柔らかい。
地面に頬を当てて、
撫でてみたい気持ちになる
表情です。
みんなの一心不乱にたたく背中も
思い出すからかなあ。
上里は邸にて。
外部の木建具枠が
できあがりました。
この家は、
古い家の改修、
座敷の鴨居高さが
5尺7寸なのですが、
外部の鴨居は
それよりやや高いだけで
すごく解放感があるように
感じます。
鴨居の高さの話と言えば、
もう三年も前のこと。
ご縁で建築家・奥村まことさんに
お会いする機会をいただきました。
天に召される
少し前のことで、
彼女はベッドに腰掛けながら、
確か三時間近く四方山話を
させていただきました。
一つ一つのお話が
楽しくて三時間があっという間、
かといって
その間具体的にどんな話をしたかは
記憶が途切れ途切れなのですが、
鮮明に覚えていることの一つは、
窓の高さのお話しでした。
割と唐突に、
「今の鴨居の高さは高い」
「だからバランスが悪い」
「6尺もあれば十分」
という話を切り出されました。
確かにその通りだと思う一方で、
サッシの規格や
現代人の身長の高さを考えると、
なかなか開口部を低くする勇気は
ありませんでした。
しかし今回は、
古民家の改修ゆえに
室内の鴨居高さは強制的に
私の頭すれすれの5尺7寸。
改めて
その鴨居の下を歩いてみると、
座り込んでみたくなるほど
落ち着く。
開口部の様子を
引いてみてみると、
やはりプロポーションがいい。
そして頭の高さギリギリだと、
鴨居をくぐる時、
軽く会釈する感じになるのも
なんだかいい(笑)。
この光景を見て、
キレのいい
かつおだやかな
あの時の言葉を
思い出しました。