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2023年5月22日

変わらないから際立つ

カテゴリー: 改修の仕事 神田え邸

数年ぶりにここに来ましたが、まちなみがすっかり変わっていて、変わらない齢約百年近い海老原商店がますます際立っていました。
この家の中の空気感、ホッとできる感じがホント好きです。

2017年3月28日

再出発の春

カテゴリー: 新築の仕事 神田え邸

神田え邸にて。

先週に引き続き、
今日はとしまち研主催の見学会。

今日もたくさんの方々が
お越しくださいました。

ありがとうございました。

思えば着工当初は、
仕事を細々と進めておりましたが、

今日は
区の行政職員が多数見えたり、
町内会長さんがいらっしゃたり、

すっかりまちぐるみの
展開になってしまって、

これもひとえに
建主さんの情熱と、

としまち研の多大なる
ご協力のおかげです。

まちに開き、

立場を超えて
たくさんの方々に
見守っていただけることで、

このたてものは、
長生きしてくれるような
気がします。

陽射しはすっかり春。
再出発の春です。

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2017年2月24日

ひいてとる

カテゴリー: 新築の仕事 神田え邸

神田え邸にて。

久しぶりに現場を訪れると、
柳原通りの向かいの土地が
時間貸駐車場になっていました。

ここ以外でも、
建築計画のお知らせ看板が
立っていたりして、

トーキョーは
景色の移り変わりが
激しいなと思いました。

しかしそのおかげで、
このたてものを
いつも見上げる感じにしか
外観の写真を撮ることが
できませんでしたが、

ちょいと駐車場におじゃまして
引いて撮れるようになりました。

またこうして引いて撮ってみて
改めて思いましたが、

2階建てのたてものが
ビルの谷間に
ポツンとある感じで、

かえって目立ちます(笑)。

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2017年2月23日

どこを変えたというわけではないのに

カテゴリー: 新築の仕事 神田え邸

神田え邸にて。

所用で久々に訪問、
新鮮な心持ちで
このたてものを
味わいました。

2階のこの光景は、
どこを変えたと
いうわけではないのに

やっぱりいいなあ、
落ち着くなあ、
この雰囲気。

私たちの先祖が
編み出したデザインは、

やはり百年経っても、
理屈抜きに
私たちの奥底を
掻き立てる何かが
あるような気がします。

ところで今年はここで
ある催しが復活する予定。

正式に内容が決まったら、
改めて案内いたします。

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2016年12月28日

宇宙はよくできている

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

冬は日が短いかわりに、

家の奥まで
日が入ります。

この長い長い
きらくな網戸の影を見て、

宇宙はよくできてるなと
改めて思いました。

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2016年12月24日

百年前のミシン

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

忘年会のあと、

建主さんと
電車がなくても
帰れる方々とで

午前二時頃まで
四方山話に
話が咲きました。

その話の中、
この家の家計を産み出した
手回しのミシンの話になり、

実際に建主さんに
見せていただきました。

百年近く前に作られた
おそらくごく普遍的な
工業製品だったと思うのですが、

なんででしょうね、

単に懐古趣味があるから、
とかではなくて、

それは時代を重ねても
美しいと感じます。

優秀な工業デザイナーが
星の数ほどいる現代でも、

太刀打ちできないとすら
感じる美しさ。

これは建築にも
言えることで、

この差はなんだろう
という問いが、

私が「伝統」を手段に
場の表現を試み続ける
理由の一つになっています。

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2016年12月14日

手で描いた線なんだろうな

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

道路に面した入口の欄間部は、
看板建築ならではの
弧を描いた硝子が嵌っています。

ここのたてものの立面は、
当時の画家さんと
考えたらしいのですが、

この優雅な曲線を見ると、
やはりさすがだな、と思います。

きっとわくわくしながら
紙に手で描いた線なんだろうな。

一方で
なんとなくの先入観で恐縮ですが、
現代のCADで描く線だと、
こうはならないような気がします。

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2016年12月12日

光の井戸復活

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

たてものの北側にある土間と
約三畳の小上がりは、

昔々衣服を商うお店として
使われていたのですが、

なにぶん北側の間なので、
少しでも光を入れようと、
当初は光の井戸がありました。

それが改修を重ねて、
3階に昇る階段ができ、
光が塞がれてしまっていたのですが、

今回諸々の事情で
3階部分は取りこわし、

その結果、
光の井戸が復活しました。

これにより、
土間の光の印象が
だいぶ変わりました。

ところでこういう時、
私は天窓ではなく、
越屋根に窓を付ける、
という選択を勧めます。

光の量は
劣るかもしれませんが、

通風が容易なのと、
やはり長い目で見るとね。

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2016年11月18日

銅の流しと真鍮水栓

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

洗面所は、
桧の天板の上に

銅の流しと
真鍮の水栓。

きょうだいのような関係の
金属が共存しています。

ところで最近
流しと水栓の関係について
水道屋といろいろ考えるのですが、

水栓の操作は、
流しの器の中で、

もしくは
流しの器の真上で行えるほうがよい
という結論に達しています。

と申しますのも、
手や顔を洗ったあと、
水栓を閉める前に
手をタオルで拭く人はまれで、

たいていの場合
濡れた手で操作しようとします。

すると水栓の操作部の真下に
水滴が飛び散るわけですが、

その水滴を
流しが受け止める位置関係にあれば、

天板はあまり
濡れずに済みます。

木で天板を作る場合、
濡れてもかまわないように
桧など水に強い木を選びますが、

それでもあまり
濡れないにこしたことは
ありませんからね。

なので、
流しの器の中に
水栓を設置できない場合、

水栓の形状は、
壁出しの胴長のものが
今私の中で理想です。

しかも今は
給湯器が適温のお湯を
作ってくれるので、
単水栓で十分です。

壁出しの単水栓は、
安価な傾向にあるというのも
うれしいですね(笑)。

そんなことを
考えたうえでの
この組み合わせです。

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2016年11月17日

スギとカワラの小さな厨房

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

杉の箱に
壁を瓦で仕上げた
小さな厨房が
できあがりました。

ここにこもって
一枚一枚表情の違う
瓦と対話しながら
ジャム作りたいです(笑)。

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