「見せる」電線
神田え邸にて。
土間の照明器具は、
元々あった器具のデザインに近い
黒いマリンランプにしました。
そして器具への配線は、
元々Fケーブルが際を這い、
化粧モールをかぶせていたのですが、
改修を機に、
碍子引きにしました。
天井裏がなく、
かといって木を掘り込むわけにもいかず、
どうせ配線が見えるのだったら、
目立たないようにする、というよりも、
かえって配線を「見せる」
この碍子引きが好きです。
まだ電気などなかった時代に
建てられたたてものは、
その後目の前に電気がやってきて
後から電気を配線しなければならないという時に、
この碍子がよく使われていましたが、
今はほとんど
見かけなくなりました。
現代では、
電気配線の量と種類が
昔と比べて格段に増えたため、
碍子引きが難しくなった
という事情もあります。
しかし新築の場合でさえも、
電気配線が複雑でなければ、
(実は今ここが難しい)
デザインとして積極的に
取り入れたいとすら
思っています。
「隠れる」よりも、
「見える」ほうが
なんとなく安心感がありますしね。
ちなみに照明器具の台座は、
大工が用意したクリの板です。