ブログ
2016年10月28日

秋空の下できらくなとそうや

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

今日は午前中、
「きらくなとそうや」してました。

外のウッドデッキに、
油系の塗料を塗る作業です。

外で作業するには、
これ以上ないというくらい
気持ちよいお天気で
よかったです。

ところで塗料は、
国内の会社が作っている
自然由来の原料なので、

いわゆるペンキのような
人工的な匂いではなく、

これで料理をしても
いいんじゃないかと思うほどの
香ばしい香りでした。

安全であろうとすることは、
心地よさをもたらすのだと
思います。

あるいは、
心地よい場を作ろうとすれば、
安全な素材に行きつきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2016年10月27日

端材で雨落ち

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

新調した軒に取り付いた
銅の鎖樋が落ちる場所に、
幅約2尺、奥行約1尺の
小さな雨落ちができあがりました。

那智石の周りを囲う大谷石は、
買ってきたものではなく、

同時進行で行われていた外構工事で
余った端材です。

端材が別の場所で
あたかもここに納まるのが
必然だったかのように
ばっちり生かされると、

なんだかうれしいです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

天井に水紋

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

工事も最終段階。

居室の天井に
漆喰の水紋ができました。

照明器具を交換することになったため、
照明器具の跡ができてしまったので、

それを目立たないように
ごまかすのではなく、

むしろ利用して、
丸いペンダント照明に
呼応するように、

漆喰で水紋のような模様を
入れました。

これも改修の仕事ならではで、
改修の面白さの一つです。

そういえばこの家の
玄関まで至る動線にも、

幾つか水紋が
描かれています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2016年10月14日

‘半’でもよい

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

先日建て込んだ無双障子ですが、
半開きの状態でも組子が折り重なり、

陰影が強調されて
なかなかよい感じです。

一般的に、
口が半開き、半笑いなどと、
どちらかというと「半○○」は
だらしない印象を持った言葉ですが、

この縦繁無双障子の場合は
あてはまりません。

そういう意味では、
建具を中途半端に
開けっぱなしにしていても叱られず、

四六時中隅々まで
きりりとしているわけにはいかない
くつろぎの間には
ちょうどよいのだと思いました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

橋渡しする舞良戸

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

居間と水廻りを仕切る建具は、
従来は折れ戸だったのですが、

今回の改修を機に、
より手軽に開け閉めできる
引き戸に作り替えました。

その建具の仕様は、
濡れた手で行き来することが多いので、
紙ではなく木で作ったものがいいだろうと、
舞良戸とすることにしました。

木で作る建具は、
材種や桟の割付などは
建具職人と相談しつつも
基本的には設計者の意図ですが、

具体的にどんな木を使うか、
つまり木配りは建具職人の
想いと感覚が強く反映されます。

そこで今回も、
建具職人新井さんが
どんな舞良戸を作ってくるか
楽しみにしていましたが、

建て込んでみて、
やはり新井さんの心にくい配慮を
感じました。

舞良戸の鏡板(横桟の奥の幅の広い板)を
よく見ていただくと、

居間から見て左側が白太がちの板、
右に行くにしたがって
赤身がちの板となっています。

この建具の左側は、
桧の壁と天板の造作が目立つ
白の強い空間、

対して右側は、
褐色に塗装された
既存の家具が座っているのですが、

新井さんはこの舞良戸が、
手前と奥だけではなく、

左と右を橋渡しする存在として
位置づけたかったのだと推測します。

直に聞いたわけではありませんが、
新井さんの木配りは、
いつもだいたいこうした意図があり、

空間を図面以上のものに
仕立ててくれます。

たてものづくりは、
とくに木のたてものは、

こうしたたくさんの職人たちの
想いや感覚を見出すことも
楽しさの一つです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2016年10月12日

影の楽しい候へ

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

建具屋の新井さんと、
現場でしばし建具の話をしていたら、

庭の草木とともに
「きらくな網戸」からの影が、
桧の床に映し出されていました。

陽の位置が低くなり、
影の楽しい候に入りました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

大きな無双障子が入る

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

今日は建具屋の新井さんが
内部建具の建て込みに来たので、

建具工事、いや、
今回の改修工事の目玉ともいえる
幅9尺、高さ3尺の無双障子が
納まりました。

幅約2寸の細長い和紙の帯が
閉じたり、開いたり。

柔らかく光を通しつつ、
季節や時間帯によって
視線や風を調節できるこの装置は、
実に日本的だと思います。

半開きにした状態も、
光と影が折り重なって、
なかなか面白い表情を
見せてくれました。

ところで今日建て込んだ新井さん、
この大きさでの無双障子は
初めてだったそうです。

しかし幅9尺という大きさで
作れることが分かったので、

今後も各所で積極的に
提案していきたいと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2016年10月11日

板がのびたりちぢんだり

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

この家の洗面所は、

入口は狭く、
銅のシンクが入っている部分は広く、
奥行きが二段階になっているのですが、

しかしいざという時
狭い奥行きのほうも
広く使えるように、

天板の下に
引き出せる棚板を
作りました。

建主さんに
ご要望をいただいて
作ったのですが、

こうしたご要望が
作り手のいい刺激になります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2016年10月4日

子ども机にヒノキは合う

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

本棚を改造した机が
できあがりました。

元々は茶色のペンキが塗ってあった、
重厚感のある本棚でしたが、

2/3がヒノキの板に包まれて、
子ども部屋らしい、
明るい印象の机になりました。

色合いもさることながら、
使い込むほど味が出るし、

適度に硬い木なので字を書きやすく、
子どもの机向きだと思います。

しかも神奈川県産というおまけつき。
今度机の板のふるさとを訪ねてみてください。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

改造後。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

改造前。

2016年9月28日

いつもの建具といどむ建具

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

今日は外部の建具が入りました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

小屋の両脇には、
引き込みのガラス戸と、
いつもの「きらくな網戸」。

夕暮れが早く、
夜景を拝むことができましたが、

格子から漏れる影が
とても美しかったです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そしてたてものの正面には、
横に細長い引き違い窓。

ここから空や庭を眺めるので、
建具の存在感を小さくするために
框の見付幅を極限まで細くしようと、
建具屋さんに挑んでいただきました。