天井はサワラ
平塚は邸にて。
居間の天井は
サワラの板。
主張しすぎず、
柔らかな表情で
天井に向いている
材の一つだと思います。
平塚は邸にて。
改修のため
天井を剥ぐと、
小屋裏に沢山のものが
置かれていることが発覚。
建主さんも
知らなかったということは
数十年間もの間
ここに眠っていたということ。
当時の調理器具だったり、
あるいはその時行った
改修工事の残材だったり、
下に降ろして並べてみて
懐かしさとともに
話が盛り上がりました。
その中には
使えそうな古建具があり、
さっそく急きょ
どこかで使おうという
話になって採寸。
改修工事は
この偶然性が
とても楽しいです。
それにしても
さりげなく芸が細かい。
現代と
デザインに対する
気合いが違います。
平塚は邸にて。
この家の基礎は、
よくあるように
コンクリートの表面に
モルタルで薄塗りを
かけていたのですが、
シロアリさんに
だいぶ食べられたあたりを
ぱりぱりと剥がしてみると、
蟻道が縦横無尽に
走っていました。
経年劣化でモルタルの薄塗りが
コンクリートと剥離して、
地面からその隙間を縫って
木組みまであがっていたようです。
光も風も人の目も
避けられるので、
シロアリさんにとっては
かっこうの道に
なってしまったようです。
うーんなるほど。
こうなるには
必ず理由がある。
この前も書いたけど
本当にシロアリさんには
勉強させられます。
先週から都内某所で
古い家の外壁改修工事を
進めていました。
既存の外壁板は
かなりくたびれていたけど
外見や床下を覗くかぎり
骨組みはそれほどでもないと思って
板を剥がし進め、
また約20年前
改修した際に貼ってあった
透湿防水シートを剥がすと
びっしりと
シロアリがいらっしゃるでは
ありませんか。
そして見事にマツの梁が
食べられていました。
こういう時、
シロアリはオソロシイ、
やっぱり駆除しなければ、
という話の流れに
なりがちなのですが、
シロアリさんが
なぜそこにいらっしゃったのかを
考えたときに、
理が通ることが
多いんですよね。
詳しいことはさておき、
それらを考えると
シロアリさんは私たちにとって
やみくもに忌み嫌う存在ではなく、
気づきの存在だと思うのです。
どうしても駆除しなければ
ならない場面はありますが、
彼らも必死に生きています。
そしてシロアリさんだけではなく
全ての生きとし生けるものが
そうなんだ。
全ての存在に
意味がある。
そう考えてこれからも
シロアリさんと
向き合っていきたいと
思います。
本郷台の賃貸集合住宅にて。
便所の紙巻器と
タオル掛けも
プラスティック製のものから
シンプルなものに交換しました。
こう見ると
芸術家が鉄で作った
何かの「作品」っぽいです。
ちなみにサワラの板は、
既存のべりべりっとした
ぼろ隠しですが、
さりげなく見えるかな?