新旧折り重なる2
上里は邸の竣工写真シリーズ。
(畑拓さん撮影)
玄関土間を
吹抜けから望む。
古い梁に
新たに敷いた敷瓦が
重なります。
ところで
玄関土間を敷瓦で
仕上げる時、
私は玄関建具を
升目の格子にする傾向が
あるような気がします。
鎌倉は二階堂、
丘の上に立つ改修現場にて。
元々間仕切りの襖が
入っていたところに
防音を兼ねて
土壁をこしらえることに
なりました。
竹を割り、
小舞をかき、
追いスサをして
土を練り、
土を塗る。
その作業の手は、
建主さんとその仲間たち。
常に楽しいお話が
飛び交って、
一日があっという間に
過ぎていきましたが、
皆さん手際よく、
明日も丸一日
作業を予定していましたが、
あと半日もあれば
終わりそうです。
土の仕事は
仕事した!という充実感が
感じられるので
やっぱり楽しいですね。
そしてこの日を皮切りに
晩秋までこの日々が続くと思うと
うれしいです。
なんかこの仕事するために
図面描いているみたいだな(笑)。
上里は邸にて。
本日夕方、引き渡し。
約2年にわたる
長い長い物語が
一区切りしました。
打ち合わせしていた頃は
生まれたての赤ん坊だった子も、
広いおうちの中で
走り回っています。
引き渡し直前に
障子の張り替えのご依頼を
いただいたため、
筬格子戸に納まっていた障子が
お出かけ中でしたが、
それがかえって、
引き渡し時のたくさんの思いが
透けて見える様子を
象徴しているように感じました。
達成感とともに
さみしい気持ちで
この場を後にしましたが、
直後に建主さんからも
さみしいですとメールが来て、
時間かかってしまったけど、
そう思ってもらえる仕事ができたのかな、と
充実した心持ちで帰路につきました。
上里は邸にて。
この家の2階は、
昔お蚕さんが
住んでいて、
元々どーんと
開放的だったのですが、
改修により
人間に明け渡すことになっても
開放性を維持することにしました。
子どもたちが
ちょっとした運動会が
できそうですね。