ようやくここまで
武川の古民家にて。
北側の外壁板が
半分ほど張り上がりました。
少しの間作業が中断していたこともあり、
ようやくここまで来たか、と感慨深いです。
鎌倉で
建具の改修の仕事。
敷居をノイズレスレールとしたうえ、
両引分上下無双付雨戸を取り付けました。
本来雨戸は、
気密性、防水性を考えると
よくある溝のほうが
いいと思うのですが、
しかし操作性が
悪いのも事実。
日々のこととなると
なおさらです。
なので今回は、
日々開け閉めしやすいように
敷居はレール式としました。
両引き分けとしたのは、
もともとそうだった
ということもありますが、
敷居鴨居の奥行寸法を
抑えられます。
建具は
カギを締めても通風できる無双付。
この窓は西向きなので、
日射遮蔽の役割も果たします。
その結果がこのデザイン。
今回はここ単体の仕事でしたが、
家全体でも単体でも、
機能が意匠を作ることが大好きな
きらくなたてものやです。
武川の古民家にて。
現在家の中に足場を組んで、
屋根の裏側に板を張っています。
冬は厳寒になるこの地で
さすがに屋根に断熱材がないと
シンシンと冷えるので、
屋根に断熱材を添えつつ、
どのように仕上げるかが
とても難題でした。
というのも、
垂木はあくまでも
下地という認識だったのか、
規則的に整然と並んでおらず、
しかも‘せい’(=高さ)もまちまち。
つまり三次元に不揃いな状態。
どのように解決するかは
案2つ。
案1)
垂木間に断熱材を添えたうえ、
垂木の上から板なりボードを張って
仕上げること。
しかしそれだと、
垂木の‘せい’を揃える作業がたいへん、
しかも垂木が隠れてしまうのも
かなり残念。
案2)
垂木間に断熱材を添えたうえ、
垂木と垂木の間に
板なりボードを張って仕上げること。
しかしそれだと、
垂木が全てまっすぐではないので、
それに沿って板等を
入れていく必要があり、
美しく仕上がるか
不安がありました。
どうしようかと考えた結果、
案2を敢行。
仕上げは、
できるだけ石膏ボードを
使わないという方針により、
羽目板にすることに。
しかし板だと
不整形な垂木との取り合いが
目立ってしまうため、
柿渋コートで
黒く塗ることにしました。
今日行ってみると
1/5程度張られていましたが、
すぐさまこれは
たいへんな作業だと実感。
それでも仕上がってみると、
昭和の屋根の改修により
ベニヤにしていた野地板が
見えなくなり、
さらにいかにも
古民家という風情が
より増してきました。
残り4/5。
たいへんですけど
がんばってください。
武川の古民家にて。
文化の日に
玄関土間のタタキを
みんなで行いました。
参加者数は、
アースマンシップにご縁のある方々
約20名。
年齢、性別、属性
ホントに様々な人が
集まりました。
最初左官職人から
作業の説明がありましたが、
こうして大勢で
大きな面積の土間をたたく時は、
自分の守備範囲だけを
一生懸命仕上げるのではなく、
周りを見渡しながら
全体を沈めていくように
たたいてください、
という話がありました。
まさに周りとの調和の意識が
大切になります。
作業内容だけを切り取れば、
まさにこれ以上ないというほど
単純労働。
音楽の斉唱のように
単純なだけに逃げがきかず、
調和が求められるのだと思いますが、
みんなきちんと
左官職人たちの指示にしたがって、
全体を意識しながら
地面と向き合っていました。
そしてこの作業は、
おおぜいでやるべきですね。
少人数だと途方にくれますが、
人がたくさんいると
調和を意識しなければならない一方で、
安心感と楽しさがあります。
「楽しい」という声が聞こえる中、
あっという間に夕暮れとなりました。
明日も続きの作業です。
私は所用で帰りますが、
引き続きよろしくお願いいたします。
なお私は今日、
工程の都合もあって
みんなが地面に向かっているのを横目に
竹小舞のまま残っていた壁に
ずっと土を塗っていました(笑)。
ま、土つながりということで。