上下をつなぐ格子床
鎌倉台て邸にて。
2階の格子床ができました。
光と風、
とくに上下に風が
通るようにしたい、
だけど吹き抜けにするほどでもない、
という場合、
よくやる
たてものの装置です。
逆になんだか
すーすーするな、
と思ったら、
布をかければいい。
それとたぶん、
ここから子どもたちが
格子に顔を押し付けて
階下をうかがう場所にも
なりそうです。
戸塚の古民家改修現場にて。
いよいよ工事も最終段階。
今日は建物西面の開口部に
建具が入りました。
四枚建ての硝子戸に二本の網戸、
そして一筋の敷居に並び、
戸袋に仕舞う四本の雨戸と、
昔ながらの建具の構成です。
これまで雨戸は、
楽に引き出せるように
それぞれの雨戸が
レールに乗って出てくるように
納める場合が大半でしたが、
今回は一筋の敷居。
それはそれで、
建具の様々な仕掛けが見れて
おもしろいです。
その一つは
雨戸の鍵となる「上げ猿」。
これをなぜ「猿」と
呼ぶのでしょうね。
もう一つ、
建築には「猿」が登場しますが、
それは面の種類の一つで
猿頬面(えてぼうめん)。
これは猿の頬の形に
似ているからなのですが、
この錠の仕組みが
なぜ「猿」を連想させるのか
少し空想を張り巡らせようと思います。
ところで猿錠が付いている
中桟をよく見てみると、
上に溝が掘られていました。
建具屋さんによると、
戸袋から引き出す時に
この溝が手掛けになって
出しやすいように、とのこと。
さすが、の細工です。
神田え邸にて。
昨日の夕方、
基礎屋さんから
少し慌てた様子で
電話が入りました。
補強の基礎を作るために
土間を掘っていたら、
ガスの匂いがするとのこと。
地面に耳を当ててみると
かすかにシューっと
ガスが漏れる音がするというのです。
すぐにガス会社の
緊急ダイヤルを検索して電話、
サイレンを鳴らして
現場に駆けつけてもらい、
応急処置を施していただきました。
その翌日の今日、
現場に行く用事があったので、
「事件」があったあたりを確認すると、
腐食して場所によっては
倍近くも膨れ上がった
鉄管が転がっていました。
これが昨日まで
地面に埋もれていたガス管とのこと。
うへー。
これは漏れても仕方ない。
このまま気づかずにいたら
大惨事になっていたかもしれず、
ガス管が埋もれていた場所で
基礎を作ることになったことにより、
この時点でこの状況に
気がつくことができて
本当によかったです。
現在使われている配管は、
腐食しづらいものが使われてはいますが、
長い長い目で見たときに
設備配管は遠い将来こうなると
思っていたほうがよさそうですね。
それと本来帰るべき時間のところ、
急きょ自分ごとのように
対応してくださった基礎屋さん、
どうもありがとうございました。
たいへんな目をさせてしまいましたが、
現場のチームワークを
再確認することができました。
コメント
鎌倉台て邸にて。
今日は自転車で
鎌倉台の現場まで行きましたが、
いいお天気で本当に気持ちがよかったです。
ニュースを聞いていると
花粉もたくさん飛んでいるはずなのですが、
峠は越えたのか、
だいぶ症状が楽になりました。
そんな春の陽気の中で
スギの板に‘着替え中’のたてものも
気持ちよさそうです。
神田え邸にて。
基礎工事が始まり、
途中経過を確認しに現場へ。
こうした古いたてものの場合、
新築とは異なり、
元々のたてものの平面が
直角とはかぎらないので、
どのように配置の
つじつまを合わせるか
その都度現場との議論が
必要になります。
その際現場で
既存の基礎に話が及んだのですが、
ここは大谷石を敷き並べて
基礎にしています。
作業を進めるうえで
その一部を削ったところ、
自分が認識している大谷石とは異なり、
だいぶ堅く
締まっていたそうです。
さらにそんな石を
天端がきっちりと平らになるように
人の手で削りだしながら並べることは、
すごいことだね、という話をしました。
強い弱いはともかくとして、
昔の仕事は技術、労力とともに、
本当に敬意を表することが多いです。