天井に穴
鎌倉台て邸にて。
居間の天井の杉板張りが
ほぼ終わりました。
見上げると、南側の一角に
なにやら不思議な穴があります。
ここには上下で光と風が行き来する
格子床が入る予定です。
鎌倉台て邸にて。
今日は自転車で
鎌倉台の現場まで行きましたが、
いいお天気で本当に気持ちがよかったです。
ニュースを聞いていると
花粉もたくさん飛んでいるはずなのですが、
峠は越えたのか、
だいぶ症状が楽になりました。
そんな春の陽気の中で
スギの板に‘着替え中’のたてものも
気持ちよさそうです。
神田え邸にて。
基礎工事が始まり、
途中経過を確認しに現場へ。
こうした古いたてものの場合、
新築とは異なり、
元々のたてものの平面が
直角とはかぎらないので、
どのように配置の
つじつまを合わせるか
その都度現場との議論が
必要になります。
その際現場で
既存の基礎に話が及んだのですが、
ここは大谷石を敷き並べて
基礎にしています。
作業を進めるうえで
その一部を削ったところ、
自分が認識している大谷石とは異なり、
だいぶ堅く
締まっていたそうです。
さらにそんな石を
天端がきっちりと平らになるように
人の手で削りだしながら並べることは、
すごいことだね、という話をしました。
強い弱いはともかくとして、
昔の仕事は技術、労力とともに、
本当に敬意を表することが多いです。
peaceful daysにて。
ちょうど1カ月前に始まった
恵比寿のアパートの一室での物語も、
今日で千秋楽。
水道屋がシャンプー台を設置し、
流しを設置を設置している横で、
ヒノキの床板に
最後建主さんとともに
蜜蝋ワックスを磨きこみ、
ほぼ完成を迎えました。
短い期間でしたが、
ああ終わってもうたなあ、
というさみしい気持ちは
長い時間かけて作る新築と
さしてかわりません。
しかし今日完成したのち、
明日の保健所の
検査を通った暁には、
美容室peaceful daysとして
歩き始めます。
昭和の香りが
色濃く残る箱の中を
明るく照らすヒノキの板で
包み込んだ空間も味わいに、
ぜひいらしてください。
神田え邸にて。
かつて上に増築した、
寝室として使っていた
塔屋部分の解体作業を始めています。
壁天井の下地を
剥がしてみると、
以前紹介した、
空襲で焼けた
柱ほどではありませんが、
またしても焼けた痕跡が
出てきました。
また、
外皮を遮るものは、
薄い鉄の波板のみ。
塔屋として、
重量の上では有利でしたが、
恐らく暑くて寒い
塔屋だったろうと思います。
しかしこのたてものは、
周りや社会環境の変化に翻弄されることなく、
生き延びることができました。
こういう状況を目にして
最近とくに思うのですが、
たてものの寿命を決めるのは、
がっちり作っても、
性能の高い家を作っても、
少々焼けようとも、
とても暑くて寒くても、
最後の砦は、
住み継いでいこう、
使い続けていこうという意思、
このたてものに対する愛だと
いうことです。
今回は、
この増築した塔屋のおかげで
雨仕舞がかんばしくなく、
たてものを傷める速度を
早めてしまう可能性があるだろうということで
塔屋部分は壊してしまいますが、
使い続けていこうという意思を
しかと受け止め、
このたてものに関わる人たちに
ずっと愛され続けるよう、
手を加えていきたいと思います。