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2012年2月21日

土はよみがえる

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉古民家の改修現場では、
現場を進める中で
土壁を作ることになったのですが、

その契機の一つは、
解体の際に落とした土が
たくさん出たこと。

その時に大工の北山さんが
いつも一緒に仕事されている
とてもユカイな左官屋の小山さんを
連れてきていたこともあり、

やろう!ということにしました。

ただし落とした土だけですと
バサバサしているので、
粘り気のある土を半分くらい混ぜ、

さらに荒壁土仕上げなので、
少しでもひび割れを抑えるために
これでもか、というくらいに
藁を混ぜて土を作ってもらいました。

このようにして土壁の土は、
全て、とはいかないまでも、
また元の家に戻ってくることが
できるのです。

今風に言えば、
リサイクル可能な素材
というわけですね。

そして余ったとしても、
当たり前ですがそれは
すぐさま土に還ります。

土壁は、
例え直さざるを得ないとしても、
その家で土という素材は、
物語を続けることができます。

そんな視点から見ても、
土壁はとてもおもしろいです。

2012年2月20日

朽ちた姿も

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉古民家改修の現場にて。

現在板金屋さんが
朽ちた屋根の波板を
葺き替えているところです。

朽ちた姿も、
敢えて鉄を錆びさせた金物を
作るくらいですから、
それはそれで
かわいらしいんですけどね、

もう少ししたら
機能に影響がありそうな
段階まで来ているので、
葺き替えます。

土塗って二夜明ける

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

現場打ち合わせのため、
鎌倉古民家改修の現場へ行くと、

土曜日建主さんたちの手で
作っていた壁は、
土塗りまで完了していました。

工程の都合で、
この寒い時期に
施工せざるをえなかったのですが、

作業後壁の外側を
しっかりと養生したため、
凍結せず順調に
固まってくれそうです。

2012年2月19日

先人との思惑の一致

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

昨日古民家改修の現場にて
竹小舞大会だったのですが、

竹小舞の「骨」となる
間渡し竹を仕込む際、

柱・梁にドリルで穴を
開けようと思ったら、

その場所には既に
「先客」がおりました。

つまりそこには、
鑿で穴が彫られていたのです。

現場の諸々の都合で
一度この部分の土壁を
落としたのですが、

その土壁の間渡し竹も、
こちらが取り付けようと思っていた位置と
同じところに仕込んでいたわけです。

作り方が同じだとすれば、
当たり前なのかもしれませんが、

約八十年前、
この家を作った当時の職人と
思惑が一致したようで、

何だかうれしくなりました。

2012年2月18日

寒い中熱気に満ちた竹小舞大会

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

大変寒い日が続きますが、
古民家を改修する
鎌倉や邸の現場は、
連日アツいです。

今日は3畳間に
建主さんご家族を中心に
7〜8名が集まり、竹小舞大会。

一通り作業内容を説明した後、
皆さん黙々と、
しかし楽しい雰囲気の中で
仕事を進めました。

楽しかったー。

仕事は楽しくてナンボです。

がしかし、
今日午後私は木の建築学校
講師をしなければならなかったので、
お昼前、
所員や大工たちに現場を任せて
後ろ髪を引かれる思いで、
現場を後にしました。

こちらはこちらで、
楽しく充実した時間だったんですけどね。

講義の後現場に連絡したら、
予定通り荒壁土塗りまで
辿り着いたとのこと。

寒いので土が凍結しないよう、
しっかりと家にあたたかい「服」を着せて、
今日の作業は終えたようです。

2012年2月16日

土壁の下ごしらえ

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉古民家の改修現場にて。

壁をやり直すにあたり、
せっかくなので一部の壁を
土壁とすることにしました。

仕上げは、
荒壁土を一発塗り。

物を保管する場所なので、
調湿してくれる素材がいいであろう
ということもありますが、

単純に建主さんと、
土壁作りを楽しみたかった
ということもあります(笑)。

週末建主さんたちが
作業するにあたり、

今日現場で職人たちと
打ち合わせがてら、

間渡し竹を仕込みました。

これが準備できていれば、
おおぜいでワッと
作業できますからね。

週末楽しみ〜♪

2012年2月15日

トントン葺きを見せてまう

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉の古民家改修の仕事、
鎌倉や邸にて。

天井の一部を剥がすと、
トントン葺きが露わに。

スギなどの薄い板を
トントンと何枚も打ち付けるから
トントン葺。

昔の防水層ですが、
これがなかなか
機能上優秀なのです。

自分はこういう「ありのままの姿」が
好きということもあり、

建主さんと相談して、
天井貼らんと見せることにしました。

・・・・・・・・・・

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2012年2月6日

雨乞いの時は彼を呼べ

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

今日は真冬に
冷たい雨の降る日でした。

明日も冬にしては珍しく、
連日雨が降るようですね。

一方で今、
鎌倉で進めている古民家の現場では、
屋外の配管工事が
今日明日と行われる予定です。

水道屋はいつものとおり、
森田水工、森田さん。

今日明日と雨が降るのは、
ある意味当然のことで、

きらくなたてものやが手掛ける仕事で
彼が屋外配管を行う日は、

鎌倉く邸から始まり、
春でも夏でも秋でも冬でも、
必ずと言っていいほど、
雨が降ります。

よりによって
外で穴を掘る日に、です。

フトコロの深い彼とはいえ、
ここまでくると神がかってますね。

ということで、
雨を降らせたい場合、
ぜひきらくなたてものやまで
ご一報ください。

至急、森田水工に
屋外配管工事の手配を
いたします(笑)

2012年2月2日

ハナブエと鹿肉

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

現在鎌倉で
古民家の改修工事を
進めているのですが、

大工棟梁は、
木の家ネットの仲間の北山さん。

しばらく現場を離れていたのですが、
今日から大工たちは作業再開です。

今朝現場に行くと、
現場には5名。

するとその中の一人は、
これまた木の家ネットの仲間の池山さんが
三重県から遠路はるばる
応援に駆けつけておりました。

私にハナブエを
教えてくれた方ですが、

ハナブエ作ってる姿は、
幾度となく見てきましたけれども、

今日初めて
大工仕事をしている姿を
見ました(笑)

と思ったらやはり、
マスクの下には、ハナブエが。
やっぱり。

ただでさえ「がはは」と賑やかな現場が、
ますます賑やかです。

さらに三重県から、
お土産として鹿肉を
持ってきてくれました。

とうてい一家族では
食べきれない量だったので、

今晩みんなで集まって、
鹿肉パーティー。

鹿刺し、鹿焼き、鹿のタタキにして、
いただきました。

さっぱりした肉で
うまかった!

そして現場と同じく、
冬の夜空に「がはは」が響く
楽しい夜でした。

2011年9月7日

框だけタモ

カテゴリー: 改修の仕事

改修工事の現場にて。

従来この家は、
玄関と居間が仕切られていない
一体の空間でした。

それはそれで
いい空間だったのですが、
玄関は吹き抜けているし、
やはり冬は都合が悪かろう、
ということで、
建具を仕込むことにしました。

入口は引き込みの
大きな硝子戸を入れ、

また欄間部分には
横長の回転硝子窓を取り付け、
全面的に通風を
確保できるようにしました。

ところで
引き込みの大きな硝子戸について、
下桟、上桟、中よりの縦框はスギですが、
戸当たり側の縦框のほうは
堅いタモを使い、

さらに幅約15㎜の溝を
上から下までしゃくって、

大人も子どもも、
建具が引きやすいように
なっています。

人の手によく触れるところなので、
堅木を使ったということもありますが、

これにはもう一つ
物語がありまして、

実は当初、
四周全てスギ材の建具を
予定していたのですが、
採寸の手違いで、
横幅に約24㎜短いものが
納品されました。

全て作り直せば
訳がなかったのですが、

一方で間に嵌め込む
高価な曇りの強化ガラスが
もうすでに
できあがっていました。

ガラスを足すわけにもいかず、
かといって
ガラスを無駄に
したくはなかったので、
戸当たり側の縦框を
24㎜太くすることにしました。

しかしそこだけ太くすることに
デザイン上違和感があったので、
まずは材をガラリと
代えてしまおうか、
という話になり、

さらに先ほどの
引手代わりのしゃくりを入れれば、
使い勝手がいいし、
さらに軽く見える、
ということで、

このような形に
なったわけです。

最初は寸法違いから
始まったことですが、

現場で職人と話し合うことにより、
かえって面白い感じになりました。

災い転じて―、ですね。

ところでタモという木、
今国産で手に入れるのは
なかなか難しくなってしまいましたが、
個人的に、
その名にたいへん
親近感を覚える木です(笑)