内と外とを結ぶ装置
昨日の
改修工事の現場にて。
暑い夏の時期は、
柿渋色に塗られた
この内と外とを結ぶ空間が、
とても気持ちがよいです。
夏休みは今日でおしまい。
この夏新たに作ったこの装置、
秋になり冬になる時、
この場で何を感じるか、
楽しみです。
鎌倉津西の
改修の仕事にて。
おおかた仕事が終わり、
もうお住まいに
なっているのですが、
遅ればせながら、
今日、木建具が入り、
ひととおり空間が
完結しました。
建具はいつものとおり、
杢正の新井さんです。
新井さんの建具は、
単に美しいだけではなく、
空間のイメージを
設計者である私と
議論し共有したうえで、
作り手としての
コンセプトを感じる建具を
作ってくださいます。
同じ寸法の建具でも、
木目の見せ方一つで、
ガラリと表情が
変わりますからね。
難しいところでもあり、
それだけに
楽しいところでもあります。
今日も現場で、
議論に話が咲き、
楽しいひと時でした。
居間に幅10尺ばかり、
4ヵ所連なる
スギの両開き戸。
全てで8本の
建具が並んでいるわけですが、
鏡板がどの列も
1本で通っています。
また上に行けばいくほど、
白太の割合が多くなるので、
軽やかに感じます。
洗面所の木建具。
こちらも上へ行けばいくほど、
白の割合が増しています。
玄関収納用の建具。
私たちが通称「紙戸」と
呼んでいます。
鉱物を板状に固めた
モイスを下地に、
昔ながらのでんぷん糊で
鳥の子和紙を貼っています。
和紙を使うと、
空間が「和」に傾きがちと
思うのですが、
「和」というよりは
空間がさっぱりと見えるので、
面積の大きい場合には、
よく採用する建具です。
鎌倉某所の改修工事は、
約2ヵ月間の期間を経て、
建具工事など
少し工事を残して
今日引き渡し。
今日も午後から
現場を掃除、
そのあと夕方
現場で建主さんにお会いし、
一通り打ち合わせ等を終えて、
現場を後にしました。
建主さんに「失礼します」と申して
ドアをパタンを閉めた直後、
一瞬にして
ゲンバがイエとなり、
家を巡る立場が
逆転するわけですが、
充実感とともに、
ムスメをヨメに出すような、
何ともいえない
寂しさを感じてしまいます。
さてこの家の改修工事で
取り組んだことは色々ありますが、
主菜は、と言えば、
先日紹介した「風の台」と、
コの字のかたちをした
栗のキッチン。
従前の動線計画では、
食事を作るキッチンから
食事をいただく
テーブルに至るまでに、
廊下を通り、玄関を通り、
家の中でぐるっと
数十歩歩かなければ
ならなかったので、
対面式にし、
かつテーブルまで
すぐ到達できる動線計画を
考える必要がありました。
しかし1間半×1間半の
正方形の4畳半の中で、
収納スペースを確保しつつ、
それらの条件を解決するのは
なかなか難問でした。
キッチンで4畳半あれば、
広さ上は十分なのですが、
それが正方形となると、
どこかが間延びしたり、
あるいはどこかが窮屈に
なってしまいがちなのです。
ですので
建主さんとの打ち合わせに
最も時間をかけた部分なのですが、
結果的に
調理器具の寸法を測って
収納の大きさを決めたり、
あるいは僅かなスペースを使って
お盆やアルミホイルの
置場を作ったりと、
細かい芸の詰まった
使いやすそうな
キッチンとなりました。
こうした結果になったのも、
建主さんとの
対話があってこそ。
デザインも大切、
それ以上に使い勝手も
極めて大切な
キッチンなどを
計画するうえで
その重要性を
再認識しました。
※建具工事が未済です
鎌倉の改修工事にて。
明日の引き渡しに向け、
午後から夜まで、
現場で塗装の補修と掃除。
風が通る
比較的涼しい場所ですが、
この時期身体を動かすと、
さすがに汗が噴き出ます。
一体何リットル
汗をかいたのでしょうか。
体重計に乗ったら、
数週間前に比べて、
体重が3kg以上減り、
4、5年ぶりに、
60kg台を記録しました。
現在近所で築三十数年の家の
改修工事をいただいているのですが、
今日はそこで、
ウッドデッキの建前でした。
ウッドデッキとはいえ、
渡りアゴを基本とした
伝統工法的な継手・仕口。
私たちの仕事は、
ついそちらの方向に
なりますねえ(笑)
全て雨風に晒されるので、
私はその脇で、
大工の手も借りつつ、
柿渋コートを塗っていました。
明日から雨模様なので、
週末作業再開です。
昨年秋より取り組んでいた
葉山の第一次改修工事が
年末ほぼ完了しました。
元々は、高度成長期時に
建てられた建売住宅。
当時幼少期を過ごした私にとって、
古い民家よりもむしろ
懐かしい感じがする家でした。
それが1階アトリエ、
2階居間の家として、
生まれ変わりました。
1階アトリエ。
床を撤去し、
モルタル土間に。
そこに敷瓦が
埋め込まれています。
元々掃き出し窓があったほうは、
縁側風に。
最近採用することが多い、
栗のキッチン。
面材が栗の板となることで、
キッチンがあたたかみのある
空間となります。
里山の見えるほうに
大きく窓を穿ち、
木建具を納めました。
ほぼ北側にあたりますが、
かえって陽の加減で
明るくなったり、
沈んだ色合いになったり、
「木の額縁」の中で、
山が表情を変える姿を
楽しむことができます。
元々和室だったので、
長押や廻り縁が残っていますが、
これが空間に表情を
付けてくれています。