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2012年2月16日

土壁の下ごしらえ

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉古民家の改修現場にて。

壁をやり直すにあたり、
せっかくなので一部の壁を
土壁とすることにしました。

仕上げは、
荒壁土を一発塗り。

物を保管する場所なので、
調湿してくれる素材がいいであろう
ということもありますが、

単純に建主さんと、
土壁作りを楽しみたかった
ということもあります(笑)。

週末建主さんたちが
作業するにあたり、

今日現場で職人たちと
打ち合わせがてら、

間渡し竹を仕込みました。

これが準備できていれば、
おおぜいでワッと
作業できますからね。

週末楽しみ〜♪

2012年2月15日

トントン葺きを見せてまう

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

鎌倉の古民家改修の仕事、
鎌倉や邸にて。

天井の一部を剥がすと、
トントン葺きが露わに。

スギなどの薄い板を
トントンと何枚も打ち付けるから
トントン葺。

昔の防水層ですが、
これがなかなか
機能上優秀なのです。

自分はこういう「ありのままの姿」が
好きということもあり、

建主さんと相談して、
天井貼らんと見せることにしました。

・・・・・・・・・・

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2012年2月6日

雨乞いの時は彼を呼べ

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

今日は真冬に
冷たい雨の降る日でした。

明日も冬にしては珍しく、
連日雨が降るようですね。

一方で今、
鎌倉で進めている古民家の現場では、
屋外の配管工事が
今日明日と行われる予定です。

水道屋はいつものとおり、
森田水工、森田さん。

今日明日と雨が降るのは、
ある意味当然のことで、

きらくなたてものやが手掛ける仕事で
彼が屋外配管を行う日は、

鎌倉く邸から始まり、
春でも夏でも秋でも冬でも、
必ずと言っていいほど、
雨が降ります。

よりによって
外で穴を掘る日に、です。

フトコロの深い彼とはいえ、
ここまでくると神がかってますね。

ということで、
雨を降らせたい場合、
ぜひきらくなたてものやまで
ご一報ください。

至急、森田水工に
屋外配管工事の手配を
いたします(笑)

2012年2月2日

ハナブエと鹿肉

カテゴリー: 鎌倉小町や邸

現在鎌倉で
古民家の改修工事を
進めているのですが、

大工棟梁は、
木の家ネットの仲間の北山さん。

しばらく現場を離れていたのですが、
今日から大工たちは作業再開です。

今朝現場に行くと、
現場には5名。

するとその中の一人は、
これまた木の家ネットの仲間の池山さんが
三重県から遠路はるばる
応援に駆けつけておりました。

私にハナブエを
教えてくれた方ですが、

ハナブエ作ってる姿は、
幾度となく見てきましたけれども、

今日初めて
大工仕事をしている姿を
見ました(笑)

と思ったらやはり、
マスクの下には、ハナブエが。
やっぱり。

ただでさえ「がはは」と賑やかな現場が、
ますます賑やかです。

さらに三重県から、
お土産として鹿肉を
持ってきてくれました。

とうてい一家族では
食べきれない量だったので、

今晩みんなで集まって、
鹿肉パーティー。

鹿刺し、鹿焼き、鹿のタタキにして、
いただきました。

さっぱりした肉で
うまかった!

そして現場と同じく、
冬の夜空に「がはは」が響く
楽しい夜でした。

2011年9月7日

框だけタモ

カテゴリー: 改修の仕事

改修工事の現場にて。

従来この家は、
玄関と居間が仕切られていない
一体の空間でした。

それはそれで
いい空間だったのですが、
玄関は吹き抜けているし、
やはり冬は都合が悪かろう、
ということで、
建具を仕込むことにしました。

入口は引き込みの
大きな硝子戸を入れ、

また欄間部分には
横長の回転硝子窓を取り付け、
全面的に通風を
確保できるようにしました。

ところで
引き込みの大きな硝子戸について、
下桟、上桟、中よりの縦框はスギですが、
戸当たり側の縦框のほうは
堅いタモを使い、

さらに幅約15㎜の溝を
上から下までしゃくって、

大人も子どもも、
建具が引きやすいように
なっています。

人の手によく触れるところなので、
堅木を使ったということもありますが、

これにはもう一つ
物語がありまして、

実は当初、
四周全てスギ材の建具を
予定していたのですが、
採寸の手違いで、
横幅に約24㎜短いものが
納品されました。

全て作り直せば
訳がなかったのですが、

一方で間に嵌め込む
高価な曇りの強化ガラスが
もうすでに
できあがっていました。

ガラスを足すわけにもいかず、
かといって
ガラスを無駄に
したくはなかったので、
戸当たり側の縦框を
24㎜太くすることにしました。

しかしそこだけ太くすることに
デザイン上違和感があったので、
まずは材をガラリと
代えてしまおうか、
という話になり、

さらに先ほどの
引手代わりのしゃくりを入れれば、
使い勝手がいいし、
さらに軽く見える、
ということで、

このような形に
なったわけです。

最初は寸法違いから
始まったことですが、

現場で職人と話し合うことにより、
かえって面白い感じになりました。

災い転じて―、ですね。

ところでタモという木、
今国産で手に入れるのは
なかなか難しくなってしまいましたが、
個人的に、
その名にたいへん
親近感を覚える木です(笑)

2011年8月31日

内と外とを結ぶ装置

カテゴリー: 改修の仕事

昨日の
改修工事の現場にて。

暑い夏の時期は、
柿渋色に塗られた
この内と外とを結ぶ空間が、
とても気持ちがよいです。

夏休みは今日でおしまい。

この夏新たに作ったこの装置、
秋になり冬になる時、
この場で何を感じるか、
楽しみです。

2011年8月30日

夏の終わりに建具が入る

カテゴリー: 改修の仕事

鎌倉津西の
改修の仕事にて。

おおかた仕事が終わり、
もうお住まいに
なっているのですが、

遅ればせながら、
今日、木建具が入り、
ひととおり空間が
完結しました。

建具はいつものとおり、
杢正の新井さんです。

新井さんの建具は、
単に美しいだけではなく、

空間のイメージを
設計者である私と
議論し共有したうえで、

作り手としての
コンセプトを感じる建具を
作ってくださいます。

同じ寸法の建具でも、
木目の見せ方一つで、
ガラリと表情が
変わりますからね。

難しいところでもあり、
それだけに
楽しいところでもあります。

今日も現場で、
議論に話が咲き、
楽しいひと時でした。

居間に幅10尺ばかり、
4ヵ所連なる
スギの両開き戸。

全てで8本の
建具が並んでいるわけですが、
鏡板がどの列も
1本で通っています。

また上に行けばいくほど、
白太の割合が多くなるので、
軽やかに感じます。

洗面所の木建具。

こちらも上へ行けばいくほど、
白の割合が増しています。

玄関収納用の建具。

私たちが通称「紙戸」と
呼んでいます。

鉱物を板状に固めた
モイスを下地に、
昔ながらのでんぷん糊で
鳥の子和紙を貼っています。

和紙を使うと、
空間が「和」に傾きがちと
思うのですが、

「和」というよりは
空間がさっぱりと見えるので、
面積の大きい場合には、
よく採用する建具です。

2011年8月14日

対話を通じてコの字のかたち

カテゴリー: 改修の仕事

鎌倉某所の改修工事は、
約2ヵ月間の期間を経て、
建具工事など
少し工事を残して
今日引き渡し。

今日も午後から
現場を掃除、

そのあと夕方
現場で建主さんにお会いし、
一通り打ち合わせ等を終えて、
現場を後にしました。

建主さんに「失礼します」と申して
ドアをパタンを閉めた直後、

一瞬にして
ゲンバがイエとなり、
家を巡る立場が
逆転するわけですが、

充実感とともに、

ムスメをヨメに出すような、
何ともいえない
寂しさを感じてしまいます。

さてこの家の改修工事で
取り組んだことは色々ありますが、
主菜は、と言えば、
先日紹介した「風の台」と、
コの字のかたちをした
栗のキッチン。

従前の動線計画では、
食事を作るキッチンから
食事をいただく
テーブルに至るまでに、
廊下を通り、玄関を通り、
家の中でぐるっと
数十歩歩かなければ
ならなかったので、

対面式にし、
かつテーブルまで
すぐ到達できる動線計画を
考える必要がありました。

しかし1間半×1間半の
正方形の4畳半の中で、
収納スペースを確保しつつ、
それらの条件を解決するのは
なかなか難問でした。

キッチンで4畳半あれば、
広さ上は十分なのですが、
それが正方形となると、
どこかが間延びしたり、
あるいはどこかが窮屈に
なってしまいがちなのです。

ですので
建主さんとの打ち合わせに
最も時間をかけた部分なのですが、

結果的に
調理器具の寸法を測って
収納の大きさを決めたり、
あるいは僅かなスペースを使って
お盆やアルミホイルの
置場を作ったりと、
細かい芸の詰まった
使いやすそうな
キッチンとなりました。

こうした結果になったのも、
建主さんとの
対話があってこそ。

デザインも大切、
それ以上に使い勝手も
極めて大切な
キッチンなどを
計画するうえで
その重要性を
再認識しました。

※建具工事が未済です

2011年8月13日

数リットルの汗が散る

カテゴリー: 改修の仕事

鎌倉の改修工事にて。

明日の引き渡しに向け、
午後から夜まで、
現場で塗装の補修と掃除。

風が通る
比較的涼しい場所ですが、
この時期身体を動かすと、
さすがに汗が噴き出ます。

一体何リットル
汗をかいたのでしょうか。

体重計に乗ったら、
数週間前に比べて、
体重が3kg以上減り、
4、5年ぶりに、
60kg台を記録しました。

2011年8月11日

大壁の仕事

カテゴリー: 改修の仕事

築約40年の改修工事にて。

久しぶりに、
大壁(柱が見えない壁)で
デザインする機会を
いただいております。

世間は圧倒的に
大壁主流の時代ですが、
私にとっては
とても新鮮です(笑)。

大壁でも
いつものとおり
使うのは無垢の木と漆喰ですが、
大壁はデザインの自由度が高いので、
それはそれで、
楽しませていただいております。