「今さえよければ」から「持続可能な未来」へ。ものを判断する基準に「時間軸」を加えてみませんか。
7世代先を見るか、今だけを見るか
ネイティブアメリカンのある部族では「それが7世代先にとってよいことかどうか」を判断基準にしていて、大地を汚すことはあえて選ばないのだそうです。今することが、将来にどんなことをもたらすのか。子孫に恩恵を残すのか、ツケをまわすのか。そう考えていけば「今さえ」「自分さえ」「この世代さえ」よければいいという、目先の利益や快適で選ぶのとは、逆の判断になることもあるでしょう。
きらくなたてものやで「伝統的な工法での家づくり」をしているのは、「今」する家づくりの過程に「結」が生まれ、かつ、「百年先」の自分はけっして会うことのない子孫の笑顔にもつながるからなんです。
伝統的な工法は「長い目」で見る造り
伝統的な工法での家づくりは、山で何十年もかけて育てた木で家を支える構造をつくります。金物を使わない木組みをおもてにあらわすことで、耐久性も維持管理性もよくなります。せっかく作る家だからこそ、大事に長持ちするように、直しやすいように造るのです。「百年先も笑顔」でいられるように。
百年前に建った家を、今直すことができるのは、山に木があり、それを家にする大工技術が伝えられているからです。1000年前に建った寺院でさえ、直しているのです。10年以上前の設備の部品が壊れると「もう部品がありませんよ」という時間の流れとは大違いです。
木や土といった自然素材は、時を経てこそ味わいや魅力を増すこと。その時の暮らしに合わせて直せるような自由度や可変性が高いこと。それも、伝統的なつくり方の家に長く住み続けていける秘訣です。今の家族が作る過程や暮らしを楽しめて、先の世代でも愛着をもって住んでもらえるような家づくりをしましょう。